表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/40

第三章 9 ヘリオスの縫合宮へ…… 出発前夜

明日は、ヘリオスの縫合宮へ出発する。


そう決めた。


だから今日は、ティランの村で

ゆっくり休ませてもらうことになった。


ケイタは、ひとり考え事をしていた。


ふと横を見る。


ルカはベッドに潜り込み、

すでにスヤスヤと眠っている。


やはり、今日は疲れたのだろう。


……そして。


ミイアはというと。


眠っている姿勢のまま、

空中にふわりと漂っていた。


まったく。


びっくりする寝相だ。


「あれって……疲れないのかな?」


ケイタがぽつりと独り言をつぶやく。


すると――


「別に、疲れないわよ」


即答が返ってきた。


「えっ!?」


ケイタが顔を上げる。


「なんだ!寝てないのか?」


ミイアは、くすっと笑った。


「私には、睡眠は必要ないの」


軽く肩をすくめる。


「ただ、身体の調整をしてるだけ」


「そうか……?」


ケイタは首をかしげた。


ミイアが、じっとこちらを見てくる。


そして、にやりと笑った。


「なんか……悩み事?」


「いや……別に……」


ケイタが目をそらす。


するとミイアは、

わざとらしく顔を近づけてきた。


「私に興味はあるけど……」


意味ありげな間。


「子供だしな……って考えてるんでしょ?」


思わせぶりな笑顔。


「なっ!?」


ケイタが慌てる。


「何言ってるんだ!」


思わず、顔が赤くなる。


ミイアは、楽しそうに笑った。


「ふっふっふ……」


「隠さなくていいって!」


胸を張る。


「私は、これでも結構大人なんだよ?」


指を一本立てる。


「おそらく、ケイタとは同年代くらいなんだからね!」


「えっ?」


ケイタが目を丸くする。


「そうなのか?」


それは、ちょっと意外だった。


ミイアは、得意げに頷く。


「そっ!」


そして、また意味深な笑顔。


「だから、ケイタの恋愛対象でもおかしくないのっ!」


ケイタは、ふっと笑った。


「……わかった、覚えておくよ」


軽く肩をすくめる。


「じゃあ、その“調整”とやらに戻ってくれ」


少しだけ、微笑み返す。


ミイアが、ぷくっと頬を膨らませた。


「ふんっ……!」


「つまんないのっ!」


そして、くるりと向きを変える。


「じゃ、おやすみ!」


ミイアは再び、

元の姿勢のまま空中に漂った。


ケイタは小さく息をつく。


なんだかな……。


でも。


さっきまで胸の奥にあった重さが、

少しだけ軽くなった気がした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ