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好感度が上がると殺されるらしいので、ヒロイン全員フラグを折って生き延びます  作者: 神楽 柚希


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1/9

第1話 好感度MAXで、俺は死ぬらしい

――その未来は、あまりにも具体的だった。


血の匂い。

夕焼けの教室。

泣きながら、ナイフを握る少女。


そして――


「ごめんね、ユウトくん。……でも、愛してる」


次の瞬間、視界が赤く染まった。


「……は?」


俺、**相沢ユウト(16)**は、自室のベッドの上で飛び起きた。


今の何だ?

夢……にしては、妙にリアルすぎる。


心臓がバクバク鳴っている。

喉が乾いて、手のひらが汗でびっしょりだ。


「悪夢か……?」


そう思った瞬間、

視界の端に“見慣れない映像”が重なった。


――朝の通学路。

――横に並んで歩く、幼なじみの篠原ミサキ。

――そして、彼女が俺の背中に包丁を突き立てる未来。


「……いやいやいや」


思わず声が出た。


ちょっと待て。

ミサキは確かに料理は壊滅的だが、人は刺さない。


慌てて目を閉じる。

深呼吸。

もう一度、目を開ける。


……見える。


今度は別の映像。


――放課後の教室。

――清楚で人気者の白雪ユキ。

――涙を浮かべて、俺の首を絞めている。


「全員、俺を殺しに来てない?」


混乱しながらも、俺は気づいてしまった。


どの未来にも共通点がある。


殺すのは女の子


全員、顔が真っ赤


そして必ず――


「大好き」「愛してる」と言っている。


……つまり。


「好感度、上がったらアウトじゃね?」


その仮説は、すぐに証明された。


その日の朝。

ミサキがいつもより距離近めで話しかけてきた瞬間、

俺の脳内に“未来の断片”がフラッシュバックする。


【好感度:MAX】

【結果:刺殺】


「はい離れる! 三歩下がって!」


「え、なに!? 私なんかした!?」


した。

未来で俺を殺した。


俺は悟った。


この能力は、

俺がモテる未来を教えてくれる代わりに、死因までセットで見せてくる。


つまり――


「生き延びたきゃ、モテるなってことか……」


簡単だ。

俺は平凡。

非モテを維持すればいい。


そう決意した直後。


「おはよう、ユウトくん。今日のその顔、ちょっと可愛いね」


白雪ユキが微笑んだ瞬間、

視界に映る“未来”。


――教室で、俺は首を絞められて死んでいる。


【好感度:上昇中】


「上がるな! 頼むから!」


こうして俺は、

恋愛すると死ぬ世界で、全力でフラグを折る日常を送ることになった。


なお――

なぜか折るたび、好感度は上がっていく。


……詰んでない?

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