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詩小説へのはるかな道 第26話 笑いたいけど、歯が痛い

作者: 水谷れい

原詩: 笑いたいけど 歯が痛い ー ナンセンスな詩


笑いたいけど 歯が痛い

歯が痛いから 顔見たい

顔みたいけど 鏡ない

鏡ないから  探したい

探したいけど あら死体

あら死体なら 隠したい

隠したいけど 無理みたい

無理みたいだわ わが未来

わが未来なら 笑いたい

笑いたいけど 歯が痛い


ーーーーーーー


詩小説:笑いたいけど、歯が痛い


朝、目が覚めると歯が痛かった。

笑いたい気分だったのに、歯が痛い。

それが悔しくて、鏡で自分の顔を見たくなった。

だが鏡がない。部屋中を探しても、鏡は見つからない。

代わりに、押し入れから死体が出てきた。


「これは昨日の私かもしれない」と思った。

昨日、笑いすぎて死んだ気がする。

死ぬほど笑ったもんなあ。

でも死体を隠す場所がなかった。

ベランダは鳩でいっぱいだし、冷蔵庫はあれやこれやで満杯だ。

仕方なく、押し入れにつっこんだ。


「未来はないな」と思った。

未来がないなら、せめて笑いたい。

でもやっぱり、歯が痛い。

歯医者に行こうかと思ったが、地図がない。

スマホを開くと、地図アプリが「死体を隠す場所」を検索していた。

履歴を消そうとしたら、スマホから笑い声が響いた。

「笑うな」と言ったら、スマホが泣いた。


泣いているスマホを慰めるために、スマホの機嫌の治し方を検索した。

スマホと主従契約するといいらしい。

「そうだ、スマホテイマーになるのだ」と思った。

契約するには、名前を付けなければならないらしい。

スーちゃんでは軽いし、ス太郎ではいい知恵を出してくれそうに思えない。

よし、これだろう。

「スマッシュ」、決まった。


スマッシュに、押し入れの中の死体をどうしたらいいか相談した。

最近のスマホは、チャット何ちゃらでカウンセリングしてくれる。

「ああ、あれね。笑いすぎて呪いにかかっただけ」

なぜか、ため口のスマッシュは、解呪法を教えてくれた。

「泣けばいいんだよ。笑いの呪いは涙で返す」


歯が痛くてたまらない。

この世界で、歯の痛みに耐えられる勇者はどこにもいない。

涙が出てきた。鼻水も出てきた。

「痛いよ、痛いよ」

とめどなく、涙を流す。


「そんなもんかな。押し入れ、開けてみなよ」

スマッシュの言葉に、歯の痛さに悶絶しながら、どうにか押し入れを開けた。

死体はなくなっていた。

ああ、ああ、未来はあるぞ。未来の再登場だ。

笑いたかった。

しかし、

笑いたいけど、歯が痛い。


=====


わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。


連作短歌:笑いたいけど、歯が痛い


朝目覚め

笑いたき身に

歯の痛み

鏡を探す

影は見えずに


押し入れに

昨日の私

眠りおり

笑いすぎたと

死を思い出す


鳩の群れ

冷蔵庫には

余白なく

未来はなくと

押し入れに置く


地図もなく

歯医者へ行けず

スマホには

死体の隠し場

履歴が残る


笑うなと

言えば泣き出す

スマホかな

慰め契り

名はスマッシュ


ため口で

呪いの解法

教えられ

涙に返す

笑いの祈り


勇者なく

歯の痛みに

耐えられず

鼻水まじり

涙とどめず


押し入れを

開ければ消える

死体かな

未来はあると

声を取り戻す


笑いたし

未来の再登場

しかしなお

歯の痛みだけ

世界を覆う

詩をショートショートにする試みです。

詩小説と呼ぶことにしました。

その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。

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