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モンステラの雫。

作者:遥々岬
※この物語はもともと縦読み形式で執筆していましたが、現在、横書きでも読みやすいように編集を進めています。
現在は第3話まで改稿済みです。以降も順次更新予定ですので、お楽しみいただければ嬉しいです。



 死にたいわけじゃない。けれど、生きたいとも思えなかった。

 病とは、名前を与えられて、はじめてその輪郭が見えてくるものだと、わたしは悟った。

 きっと、この気持ちにも名前があるんだろう。

  でも、それが何なのか。

 誰にも話せないまま、大人になってしまった。


 窓辺に置いたモンステラの葉が、朝の光に濡れていた。

 雫が一滴、葉の先から、音もなく落ちた。

 ただ、それが綺麗だったから――。

 それだけの理由で、わたしは今日も生きている。



ーーーーーーー

希死念慮を抱えながらも、それを静かに受け入れ、淡々と生きてきた「梢」は、ある日、荒れた海岸を彷徨う中で、危うい行動をとっていたところを、思わぬ誤解を招き、青年「歩」に声をかけられる。
歩は初対面の彼女を案じ、安全な場所へと連れて帰る。
数日間、歩の家に身を寄せることになった梢は、これまで誰にも語れなかった死生観や孤独について、少しずつ言葉にしていく。
彼女の中には、他者との関係や生きる意味をめぐる、深い問いが息づいていた。

一方の歩は、人懐っこく、誰とでも自然に接することができる青年だった。けれど、ただ一人、弟との関係だけはうまく築けず、そのことに心の奥で悩みを抱えていた。
そんな彼もまた、梢との出会いを通して、言葉にできなかった思いと静かに向き合い始める。

物語は、梢と歩の出会いを起点に、それぞれが抱える孤独や痛み、そして他者と触れ合うなかでのささやかな変化を描いていく。
静かに交差していくふたつの心は、互いの不安や哀しみを少しずつ癒しながら、やがて新しい明日への輪郭を描き始める。
語りかけるような一言が、誰かの心にそっと残り続けるように。
この物語が、そんなささやかな願いとともに綴られていくことを願って。

1 独白
2025/05/24 00:12
2 出会い
2025/05/24 00:12
3 歩の部屋
2025/05/24 00:12
5 同じ顔
2025/05/24 00:13
6 酷い気分
2025/05/24 00:13
8 夢をみる
2025/05/24 00:13
9 明日がなくても、今日
2025/05/24 00:18
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