飴
自分は飴色の目をした少女と行動を共にする。
いつからかは忘れたが、私の記憶のどこを切り取っても彼女はいる。
その澄んだ瞳を見つめているだけで心が溶けていくような…不思議な感覚に包まれる。
彼女とともに過ごした記憶はまるで幼い頃に買ってもらった屋台のりんご飴のように、光に当たってキラキラと輝いているのだがどうやら自分以外には分からないらしい。
それどころか他の人は彼女を存在しないかのように扱う。確かに自分の目の前にいるというのに。
どれだけ美しい瞳をしているか、キラキラと未来を見つめているのか、誰にも理解されない。
彼女の瞳が自分だけの記憶になるというのも寂しいものだ。