通学
これはごく普通の高校生が命をかけて戦うゲームに参加する物語である。「いってきまーす。」。パンを口にくわえて走って学校に向かう少年。この少年はまさかこの後人間の奥深くに潜む邪悪が見垣間見える恐ろしいゲームに参加するなど思ってもみなかっただろう。
ドンッ。
「いってぇ、なにすんだよてめぇ」
「君が高村解人君だね?」
「あー、はい。っていうかお前誰だよ」
「私は人間ゲーム開催実行局の’○○’だ、どうぞよろしく」
と同時に渡されたのは招待状だった。そこにはこう書かれていた。
【予選のご案内】
プレイヤーナンバー:○○
プレイヤー名:高村解人
予選会場:東京ベイアリーナ
※この招待状を受け取った後の参加辞退は一切認められません。もしも参加を無断で拒否した場合、人間としては生きていきます。ただしあなたが他人から人として認められない。簡単に言えば他人から見ればあなたは存在しないことになってしまいます。
「なんだよ、これ」
「ではご参加をお待ちしております。」
「おい!ちょっと待て」
そう言ったときにはもうその人はいなかった。
解人は家に帰ったあと家族に相談しようとした。しかしあの男が最後にはなった言葉を思い出した。
「人間ゲームについては他者に口外してはいけません。もしも他人に口外した場合厳しいペナルティが待ち受けています。」
恐ろしいペナルティとは何なのか、もしかしたら存在が消えるよりも恐ろしいものかもしれない。実行局の思惑は何なのか?