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妄想の帝国

妄想の帝国 その62 議員報酬大改正!文書交通費一切不正解決策?

作者: 天城冴

国会会期末、とある法案の提出に野党は猛反対。与党ジコウ党の議員の大多数は野党が反対するならと、ロクに法案の中身も考えず賛成にまわり法案は可決。その年の4月に施行された、その法案とは…。

第〇回国会会期末。ニホン国では、野党の質疑だの、委員会だのを大幅に削り、ほぼ独裁状態の与党ジコウ党であった。

そして

「本国会において議員報酬改正案が可決、今年4月よりさっそく施行される」

との声に

拍手するジコウ党議員。

「ま、成立してよかったんだよな。ところでどういう法案だっけ」

「さあ、でも総理も幹事長もとくに何も言ってなかったし」

「なんか文書交通費とか野党がグダグダいっていたから、とりあえず出してみた、ということらしいけど」

「そんなに変わらないんだろ」

「そうだよ、野党の奴らが唖然としてるんだから、わが党にとってはいいことなんだよ、きっと」

「そうだな、共産ニッポンとかレイワンとかミンミン党が反対するんだから」


そして、4月末

「な、なんだ!この紙束は!」

議員たちに配布されたのは大量のクーポン券

「交通費用のクーポンに、食事券に、衣料券、コンビニと全国のデパート、スーパーで使用できるクーポン券、…い、医者もクーポンでかかるの!」

「ど、どういうことなんだ!」

と大騒ぎするジコウ党議員たちをしり目にため息をつくのは野党・レイワンのオオコイシ議員。そばにいたミンミン党のツジボンに

「はあ、ツジボンさん、やっぱり、理解してなかったんですね、ジコウ党の議員たち」

「まあ、そうでしょうよ、オオコイシさん。いつものようにジコウ党の上が賛成だからときちんと法案の内容を精査してなかったんでしょうよ」

「さすがに、議員報酬をすべてクーポンでやるっていうのは、やりすぎとは思ったから、私たちも反対したんですけどね」

「どうせ野党が反対することは、ジコウ党とその利権団体にはいいことだと思ってたんじゃないの。彼らは、いつもそうだしねえ」

「今回はクーポンを印刷する業者だの、クーポン対象の企業だのは大賛成でしたから。新型肺炎ウイルスがようやく収まりつつあるとはいえ、第10波までの自粛だのなんだので、すっかり経済冷え込みましたから」

「恩恵を受けるのは一部だけなんだけどね。海外からの輸入とか、個人商店とかは買いにくいし。ま、銀座のクラブとか、ゴルフリゾートでも使えないけど」

「生活に本当に必要なものだけ、って感じですね。私らの党はそれで充分ですけど」

「そうよねー。レイワンさんとことか、共産ニッポンさんとかは大丈夫よね。支持者からの支援もあるし」

「あのう、ミンミン党はちがうんですか?」

「まあねえ、私とか、レンボウさんとかは大丈夫だし、エダノンさんとかも何とかなるでしょうけど、ミンコク派のタマキンさんとかはね、どうかなあ」

「ああ、あの方はねえ。あ、メイジの党の人が事務の人に詰め寄ってますけど」

「ああ、あそこは何とかの亡者というか。交付金の残りを自党に寄付したりするところだから。現金じゃないと困るんでしょう、自業自得だけど」

「確かに、そうですね。この法案ができたのも、そもそも彼らの意味不明な政党交付金やら文書交通費の使い方が問題になったのがきっかけですし」

「一応、問題は解決しそうだけど。金目当ての議員は、もう立候補はしないでしょう。それどころか、もう辞める人もいるようだし」

ツジボン議員は、喚き散らすメイジの党の議員たちに視線を向けた。

事務員に殴り掛からんとした議員もいたようで、警備や周りの議員たちに羽交い絞めにされていた。

「あれは、もう、やめるんじゃなくて、やめさせられそうですね」

「あの人たちもロクに法案を読んでなかったのね。まあ、わが党に対する抗議文とか、記者会見とか、討論とか見てると、国語力はいまいちみたいだったけど」

「よく読まないとダメですよね、ホントに。クーポンの利用方法とかも」

「そうねえ、さっそくポカやってるみたいだけど」

クーポンを無理やりに破り取ろうとして、バラバラにしてしまい、泣き出す元歌手のジコウ党議員から、そっと目をそらす二人だった。


どこぞの国では、ウイルスの猛威にさらされながら、検査キット不足による”みなし陽性”だの、蔓延防止重点措置のままで患者が激増しようが緊急事態宣言は避けたいなどという政府だの西の都市などが迷走し続け、国民は右往左往して疲労困憊、ちょっと前までの不正、賄賂、そのほかの不祥事を忘れされられているようですが、そもそもそういうことをやる人々をきっちり処分して、も少しまともに国民のために働く方を上にしとけば、よかったのではないですかねえ。

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