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第七話 死霊術師による強化


「で? お前は誰なんだよ」


 散々、フレアと言い合ってようやく俺に気付いたみたいだ。


「俺は死霊術師だ。君を生き返らせたんだ」

「私の主人殿でもある」

「はあー。てことはオレは死んだのか」


 意外にも簡単に受け入れたな。


「ちなみに私も主人殿の配下だ」

「へえ、お前も死んだのか」

「ええ。貴女が死んですぐ、炎帝龍と相討ちに」

「炎帝龍だと!?」


 フレアの話を聞いて、トールは驚いた。

 まあ、王国が炎帝龍に襲われたと聞けば驚くか。


「くっそー! 私も闘いたかったぞ!」


 あ、そっち?


「トールは戦闘狂なんですよ。自分よりも強い相手と自分が強くなることにしか興味がないんです」


 なるほど。確かに、身体の傷を見てみると納得がいく。

 女冒険者でも、身体の傷は気にするし、出来る限り治そうとする人が多い。

 だがトールは身体中傷だらけだ。


「………ということで仲間になってほしいんだけど、どうかな」

「うーん………。やだ!」


 うん。率直だな。


「だって、お前の配下になると、時間を縛られるだろ。オレ、嫌なんだよ。組織とか、命令とかな」



「それじゃあ仕方ないな」

「ああ。悪いな」


 両手を合わせて、ごめん!とするトール。


「はあ。とんだ無駄足でしたね」

「そう言うなよ。お前と会えて楽しかったぜ、フレア」

「…………ふん」


 ぷいっと顔を背ける。

 照れ過ぎだろ。



 と、そんな感じに和んでいるとーーー。


「おっ。魔物が来たぞ」

「……ええ。トロールの群れですね」


 確かに耳を澄ませてみると、巨大な地鳴りが近付いてきた。

 徐々にそれは大きくなり、音の主が目に見えてきた。


 トロール。

 体長三メートルほどの、オークのような魔物だ。

 禿頭で、見た目は人間に近い。だが、肥大化した両腕が重すぎて、前傾姿勢になっている。


「どうする? アイツら、一直線にこっちに来るぞ」

「うーん、俺じゃ無理だな。フレア、頼めるか?」

「はい。お任せあれ」


 フレアは俺とトールの一歩前に出た。

 そして右手をトロールの群れに向ける。


「炎中級魔法《炎嵐ファイア・ストーム》!」


 それは本来なら、炎の嵐を起こす魔法だ。

 この魔法でもトロールの群れを一掃するのは無理だ。


「え?」

「へ?」

「お?」


 巨大な炎の竜巻が現れた。

 通常の数十倍も大きな竜巻がトロールの群れを巻き込んだ。


 炎の竜巻が消えた後、そこには何も残っていなかった。トロールを跡形もなく、全て焼き尽くしたのだ。


「……すげ」

「……私も、こんな事になるとは」


 俺どころか、フレアも驚いてるみたいだ。

 そりゃあ、こんな威力は驚くだろ。


「………どう言う事だ? 今のは炎上級魔法の紅蓮嵐クリムゾン・ストームだろう。間違えたか?」

「馬鹿か、貴様は。私がそんな基礎的な間違いをするか」

「だよな。なら、何が?」

「私が昔と違う点と言えば………」


 二人の視線が俺に向いた。

 え? 俺?


「………もしかすると、主人殿の加護のせいか?」

「何、加護を持ってるのか?」

「はい。主人あるじ殿の加護は《死の女神の加護》です。しかも、神界に入ったことがあるとか」

「マジかよっ!!! そんなにすげえ奴だったんだな! お前!」


 俺の身体を触ったり、叩いたりするトール。

 少し痛いが、美少女に触られるのは嬉しいからいいや。


「それで? どのくらい強化されてるんだ?」

「体感では、1.5倍くらいですね」

「はあ!? 1.5倍って、そこいらの付与術師よりも上じゃねえか!」

「しかも、それだけじゃありません。おそらく、魔力や筋力、全てのステータスが上昇してます」


 自分で言ったフレアまで驚いている。


「………なあ! やっぱり、契約してもいいか!?」


 突然、トールが言ってきた。


「それは、俺の力を利用するためか?」


 このタイミングで契約を持ち出すってことは、そういうことだ。

 だが、利用されると分かっていて、契約する気はなれない。

 そう思っていたんだが。


「まあ、一番はそれだよ。強くなれるなら、オレは何でもするよ。そしてもう一つ、フレアが惚れ込むほどの男に興味があるんだ」


 悪意がある目はしてなかった。

 と言うより、本当にそれだけしか考えていないみたいだ。


 純粋な好奇心と、力への探究心。

 

 俺はその目を信じてみる事にした。


「俺の名前はアレンだ。今日からよろしくな、トール」

「おう! よろしく! アレン!」


 俺とトールは握手した。

 その時、二人の手の甲が光った。

 俺のは《黒い髑髏の紋章》が。トールには《黄色い雷の紋章》が浮かび上がった。


 と、そこで俺の視線はトールの爆乳に行った。

 ぷるんぷるんっと揺れている。


 俺の視線に気づいたみたいだ。

 自分が今、裸だと言う事に気が付いたらしい。


「〜〜〜ッ!」


 てれっ、と頬が赤くなった。

 胸を手で隠す、いわゆら手ブラってやつだ。

 だが、こぼれ落ちそうなほどの爆乳の弾力が、俺の視線をさらにそこに釘付けにする。


「………見るなよ」


 普段男らしいのに、可愛いな。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

ブックマークや評価(★★★★★)などよろしくお願いします。


誰も信用できないので絶対に裏切れない女奴隷を買うことにした〜帝国に裏切られた俺は奴隷たちに癒されながら、英雄になります〜

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是非、読んでください。

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[良い点] トール………どストライクです( ˙-˙ )bグッ!
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