死と突破口
気が狂いそうだった。
同じ日が繰り返されるというのは想像の何倍も辛いことだった。
まるで、人々は人形のように、機械のように無機質で同じことを繰り返す。そのように感じた。
2週間でこのループに飽きてしまった。
いや、飽きたというより絶望してしまった。終わりの分からない退屈。
昔聞いたことがある。とあるボタンを押すと何も無い空間に飛ばされて5億年過ごさせられる。5億年たてば記憶が消されて元の場所に戻り大金がもらえる。そんな話。
この話で主人公は物凄い苦痛を味わっていた。
似たようなこと。死ぬまでここにいるだけ。…俺は死ねるのか?
死
それは人の終着点。いつの時代も人類はそれに怯え、それを回避する為に、医者が現れ医学が発展した。それに怯えないように宗教が発展した。それにより寿命はのび、死を受け入れるものもいるようになった。
医学の発展の弊害もおきた。生きることによるリスク。様々なわ人に迷惑をかけたり、苦痛の状態で死を待つことしかできない時。
何を考えてるんだ。落ち着け。
その時咲から連絡がきた。
「私たちでこの事件を解決しましょう。とりあえず家に来てくれる?」
俺は急いで咲の家へ向かった。
咲は色々な事を語った。
これは人為的な事なのか?それとも自然が起こした災害なのか?
なぜこのループが続いているのか?
どのようにすればループを解消できるか?
このように調べないといけないことが多すぎること
咲は俺が何もしてない時に色々な事を調べてくれた。
時間や相対性理論、それに関わる偉人や研究者…
「バカな中学生の俺には全くわからない」
「この前の数学のテスト酷かったらしいね」
「微積分なんてわかるわけないだろ」
「話を戻すわよ」
「だから俺は全くわかんないんだって」
「わかったわ。簡単に言うと、私はこのループは人為的な物と考えてるの。だからここら辺の研究所が怪しいんじゃないかしら?」
咲はメモの紙を渡した。
「なるほど!じゃあそこへ行けばいいんだな」
「簡単に言えばそうね。でもそれはあくまで推測。他の研究所かもしれないし、もしかしたら海外や自然災害によるものかもしれない…でも私たちには時間が有り余るほどある。1つづつ潰していくわよ」
「了解。場所は東京が3つ、千葉が1つ…」
「大阪とか福岡、名古屋とかもあったけどまずは関東の方から調べましょう。ところで、いくらある?お金?」
「2千」
「2人合わせて9千円ね。わかってると思うけどループ成功したら戻せないから犯罪はだめだからね?」
咲は僕を睨みつけて言った。
「あ、ああ」
「2人で9千円だと少ないから純が行ってきてくれる?私は色々調べたいことが多いし」
「ああ!俺は行動するから咲は情報を集めてくれ」
俺は咲からお金を受け取って駅へ向かった
ねこになりたい