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行きついた場所は優しい世界だった
暖かい生活
穏やかな日々
不便のない生活だった
与えられたものばかりで
見渡せばそこら中に幸福の転がっているその世界に 私は戸惑った
「ここは天国かもしれない。だってこんな世界が現実にあるわけない」
なぐさめに抱いた幻想が ふいに与えてくれた優しさだと思った
手を伸ばして触れてしまえば 儚く消えてしまうもの
見つめているだけで 満足
ただ遠くから眺めているだけで
どんなに待ち望んだものでも
心から喜べない
笑って受け入れてしまえば……
残酷に そっぽを向かれてしまうものだと
今まで生きてきた世界が そう語っていたから
「ここは天国なんかじゃないよ。本当の世界」
「今まで貴方が見ていた世界は、ただの一部分でしかないのよ」
「これも、それも、ただの世界の一部。特別なものなんかじゃないわ」




