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掌編小説集5 (201話~250話)

新築の家

作者: 蹴沢缶九郎

新築の家が建った。家主である田中のデザインしたお気に入りの家であり、こだわりが詰まった家であった。休みの日ともなると、田中は愛しの我が家から埃や汚れの一切を排除する為、一日を掃除に費やす。部屋の隅々まで掃除機をかけ、ホウキを掃き、雑巾で乾拭きをする。掃除はそれだけにとどまらず、家の中の次は外、ガラス窓から外壁、そして屋根に至るまで濡れ雑巾で拭くのだった。


人々はそんな田中を変わり者扱いしたが、田中からすれば他人の目などどうでもよかったし、何より家を愛していたのだ。家に居る時が一番の幸せで、仕事と買い物以外では外出する事はなかった。


そんなある日、田中がいつものように外から自宅を愛でていると、ポツリポツリと雨が降ってきた。


「大変だ!! 雨が降ってきたぞ、家が濡れてしまう!!」


田中は慌てて自宅に入ると、廊下の壁にあるスイッチを押した。すると、屋根の一部分が開き、そこから巨大な傘が出現し、巨大傘は雨から家を守る為に家を覆った。まさに、家用傘である。万事、こんな事もあろうと田中は備えていたのだ。


田中は再び外に出ると、「傘を差す我が家も良いな」とご満悦で頷いた。

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