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輝かしき青春の日

作者: モブA大先生

批評するほどの内容でもないでしょうが、批評等は大歓迎です。

何かしら要望などがあればご自由にどうぞ。

 股間が、輝いている……

 朝目が覚めたら、息子が大きくなってたり固くなってることならいつものことだ。しかし、今……俺の股間は真紅の輝きに包まれている。いったい何を言っているのはかわからないと思うが、俺にもわからない。とにかく物理的に光を放っているのだ。

 原因を考えてみたがとんと見当がつかない。こればっかりはわからない。問題は今後のことだ。俺はあと三十分もしたら高校へ行かなければならない。さっさと準備をして出かけなければならないのだ。だが、どうだろう? 股間を真っ赤に光らせている男子生徒を見たら、周りはどう思うだろうか。からかわれるなんてもんじゃあない。心に深い傷を負わされてしまうかもしれない。これはもう、休むしかない。

「お兄ちゃーん、起きてるぅ? 入るからね~」

 やっべ! まじやっべ! 妹が起こしにいらっしゃった! 可愛くて可愛くて仕方がない小学四年生の妹にこんな姿を見せるわけにはいかない。

 俺はどうするべきなんだ!? 選択肢はこちら!


 ①布団で隠してやり過ごす

 ②堂々と仁王立ちで待ち受ける

 ③いっそパンツを脱いで入ってきた妹ににじり寄る

 ④輝きの向こう側へ


 うん、①以外に選択肢がないね。みんなだったらどうするかな? 赤の他人が同じ状況になっていたら①以外を選んでもらいたいけど、いかんせん我が身は可愛いからね。臆病者と笑うがいいさ。兄の威厳を保つためだからね、仕方ないね。

「あ、起きてたんだ? もう朝ごはんで来てるから、早く来てね」

「お↑、あ↓、うぇ↑、ひゃい!? ……あふん、わかりたわかりた。うふん、何事もにゃ、ないから先に食べてなさい」

「……どしたの? 具合悪いの?」

「ほげぇえええ!? あ、うーん。天気明朗なれど波高しって感じかな? うん、平気平気」

「意味わかんないんだけど。ねえ、大丈夫? おなか痛いの?」

 そうだ! 腹痛で動けないことにしておけばいいんだ。これで万事OKだわ。

「じ、実はそうなんだ! ちょっとでも動いたら激痛で血反吐を吐いて悶絶死しそうなぐらい痛いから、俺のことは気にせず、先に食べてなさい」

「気にするよ! 大変だよ! お母さんたちに知らせてくるね!」

「待て待て待て! それは駄目だ!」

「なんで? ていうか大きな声を出して大丈夫なの?」

「大丈夫なの! 具合が悪いとだけ知らせてくれ。俺はしばらく動けないと」

「……なんで?」

「そんなに大したことはないんだ。痛いけど、我慢できるんだ」

「??? 死にそうなくらい痛いんでしょ?」

「それは……」

 くそう! いちいち聞いてきやがって! 察しろよ! 事情があることくらい察しろよ!

 心配そうな顔しやがって! 大ごとになったら困るから大ごとにしないんだよ!

(いっそ正直に話しちまえよ。そうすれば楽になれるぜ)

 心の中の悪魔が語りかけてくる。正直に話してしまえればなんと楽なことか。しかし、股間が光っているところなんて見られたら、兄としての威厳が失われてしまう。

(もともと威厳なんてないんだから、気にすんなよ。きっと黙っててくれるさ)

 悪魔め! 俺を惑わせるんじゃあない! 妹はきっと笑うぞ。大笑いして床を転げまわった挙句に親や友達に言いふらすぞ。エンディングは見えているんだ。

「ねえ、もしかして布団の中に何か隠してるの?」

 うげぇえええええええッ!! やばい、超絶にピンチだ。

 この状況をどうやって乗り切ればいいんだ……


 ①正直に話してしまう

 ②嘘と言い訳で粘ってみる

 ③股間の輝きで妹の目を晦ませ、その隙に部屋を出る


 これは、迷うところだぞ。どの選択肢を選ぶかによって未来が変わる……

「ねえ、何を隠してるの?」

 時間がない、ここは……

「光よぉおおおッッ!!」

 俺は勢いよく布団をどけた。その瞬間、強烈な閃光が放たれ、そして……

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