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えー。えー。
着いた先を見て私は抗議の声を上げた。
ボーリングですか。
運動音痴な私には満喫する事は出来ないよ。
絶対ガーター連発だよ。
私のそんな思いを他所に4人は心底楽しそうにボーリングを満喫していた。
****************
ガコンッ
じゃんけんで負けて自動販売機で5人分のジュースを両手に抱えて立ち上がる。
一歩前に踏み出そうとしたとき突然方を掴まれた。
「ねー君ー」
びっくっとして後ろを振り返れば知らない顔。
金髪で耳にはピアス…。
そんな人たちが3人ぐらい。
私達とは違う学校の制服。
「あ、あの…」
私何かした!?
足踏んだとか、肩ぶつかったとか!?
いや、いくらぼーっとしててもそれぐらいは分かるはず…。
「ちょっとさーお金貸してよ」
…???
はい???
これは…俗にいうカツアゲですか?
今までこんな事に有ったことがない私は言葉が出なかった。
「え…え??」
言葉がで出ない私を他所に目の前の3人は
「こんな奴が金持ってんのか?」
「いやいや、意外とオタク系が金持ってんだよ」
「ははは、現にこいつパシリだろー?」
好き勝手言ってくれる。
周りの人間は見てみぬふりだし。
まぁ…最初から期待してないけど。
シカトだシカト!
そう思いくるりと振り返り薺達の所に向かおうとする。
ここから少し離れている。
「あ、なーにシカトー?」
わざわざ目の前に立ちふさがる3人。
いろんな香水の匂いが混ざり気持ち悪い。臭い。
「退いて下さい」
ものすっごく嫌な顔をして言ってみた。
「あっははは。意外と強情だねー君」
案の定笑われた。
あーもうウザイなー。本当に。
無視して前に進もうとした時また肩を掴まれたからつい、言葉が出てしまった。
「ウザイんだよ。離せよ」
バチイィィィン!
言った瞬間右頬を叩かれた。
その拍子に眼鏡が落ちた。
「いったっ…」
「口の聞き方に気をつけろよ!」
わははとか。くすくす笑う声が聞こえる。
見世物じゃねーっつーの!
あーあ、これが薺だったら殴り返したり、葛葉だったら周りの人が助けてくれるんだろうねぇ。
バキッっと音がしたと思ったら眼鏡を踏まれた。
「あ!!」
なんて事を!!眼鏡をかけてる人間は眼鏡が無くなったら目が見えないのと一緒なんだぞ!!
ドンっ肩を押されて力が入らなくてつい尻餅を付いてしまった。