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「…顔、真っ赤」
「!!」
だって!だって恥ずかしいとか思わんのか!?コイツは…!!
「いいから、はいって言えよ」
「へ?」
何に対して?
「好きだっつてんの!どの道お前は俺から逃げられないんだよ!大体こういう事になっても嫌がってないお前は俺に惚れてるね!」
ふふん!としたり顔で言う武藤君の言葉がムカつくもんだからつい反論する。
「ちょ!馬鹿なこと言わないでよ!冗談!!暑い!離せ!」
じたばたもがく私を押さえつけるようにぎゅうぎゅうとさらに腕に力を込めてくる。
「やだね、お前が認めるまで離さねー」
俺はこのままでもいいけどねーと言う台詞にあれ?と考える。
え、どっちにしてもそれって、それって逃げられないって事だよねー!?
はいって言えって言われてもっ。
「涼華、俺はお前が好きだ、お前を裏切らない
俺に隣を預けてくれ」
まっすぐな瞳。
武藤君がいったい私の何処を好きになってくれたのかがわからない。
まったく女っ気の無い私。
きっと、怖かったのは今までの生温い関係が壊れてしまうこと。
先のことなんていくら考えてもわかりはしないんだ。
依存して縛り付けて、いつか一人になるのが怖くなる。
ああ、そうか、私はわかりもしない先のことを想像して一人になるのに怯えていたんだ。
「武藤君、私は女らしくないよ」
「知ってる」
「ゲーム好きだし、漫画も好きだし」
「知ってる」
「武藤君の隣にいたらきっと武藤君が恥ずかしい思いをする。
いつか、後悔するときが来る」
体が熱い。
抱きしめられてる腕に力を込められてる。
「後悔するかなんてわかんねぇよ。
先のわかんねぇことをグダグダ考えたってしかたねぇだろうが
俺は今自分の気持ちにまっすぐに生きてるだけだ」
本当は、とうの前に落ちていたのかも知れない。
どこかで望んでいたのかもしれない。
誰かに必要とされたかったんだ。
誰かに支えてほしかったんだ。
手を取り合って引っ張っていってほしかったんだ。
「武藤君」
「…なんだよ」
いつか、武藤君が違う人を選んだら潔く身を引こう。
笑って送り出すんだ。
今まで沢山のものを貰ったから。
これからもきっといろんなことを貰うのだから。
「…こんな、私でよければ________」
きっと、私は最初から。
武藤君を求めていたのかもしれない。
「これから、色々あると思うけど、よろしく」
「おう、ぜってーもう離さないからな」
ああ、なんて暑い真夏日なんだろ。
(了)




