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「…全部、全部アンタのせいだ…!もうどうしていいのかわけわかんない…」
イライラと不安を武藤君にぶつける。
頭の中はぐちゃぐちゃで。
泣いている顔もぐちゃぐちゃで。
「…なんで」
何で俺のせいな訳?
訳わかんないんだけどと不満そうに言ってくる。
私だってもう訳がわかんないよ!
何でこんなにも悲しかったのか。苦しかったのか。
何でこんなにもイライラしていたのかモヤモヤしていたのか。
私のほうが聞きたいぐらいだ。
ほっとくならほっとけば良かったじゃないか。
今更になって何で又関わろうとしてくるのさ。
何で、…何でっ。
「もうっ…訳わかんない…!!」
グスリと涙が流れる。
涙腺が弱くなったと感じた。
「何、でこんなに…苦しいの…かっ、イライラしたり、不安になったり、するのか…こんな気持ち知らなかったっ!全部、全部武藤君のせいだっ!!」
今まで胸に痞えていたようなものがぼろぼろと剥げ落ちていく。
ああ、私は武藤君に会って弱くなった。
よく泣くようになった。
こんな自分は嫌なはずなのに。
「…それって、意味分かって言ってんの?」
あーとかうーとか言った後空を見上げて話しかけてくる。
「…なにさ、意味って…」
そんなのこっちが教えてもらいたい!
「あー駄目だわ、やっぱ」
はあと盛大にため息をついて項垂れる武藤君。
ああ、わかった。顔を見たくないぐらい武藤君は私の事が嫌いなんだ。
だから話しかけてこなくなったりしたんだ。
でも、武藤君は意外と優しいから困ってた私を放っておけなかっただけ。
大丈夫、大丈夫。
人から嫌われるのは慣れてるから。
段々と血の気が引いて冷静になってくる。
早くこの場から離れたい。
早く家に帰ってベットで寝てしまいたい。
今までのこともすべて忘れてしまいたい。
ズキリと心臓が痛むのを感じた。




