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好き・苦手  作者: な吉
19:痛む理由
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4






「…全部、全部アンタのせいだ…!もうどうしていいのかわけわかんない…」


イライラと不安を武藤君にぶつける。

頭の中はぐちゃぐちゃで。

泣いている顔もぐちゃぐちゃで。



「…なんで」


何で俺のせいな訳?

訳わかんないんだけどと不満そうに言ってくる。


私だってもう訳がわかんないよ!

何でこんなにも悲しかったのか。苦しかったのか。

何でこんなにもイライラしていたのかモヤモヤしていたのか。




私のほうが聞きたいぐらいだ。



ほっとくならほっとけば良かったじゃないか。

今更になって何で又関わろうとしてくるのさ。


何で、…何でっ。



「もうっ…訳わかんない…!!」


グスリと涙が流れる。


涙腺が弱くなったと感じた。



「何、でこんなに…苦しいの…かっ、イライラしたり、不安になったり、するのか…こんな気持ち知らなかったっ!全部、全部武藤君のせいだっ!!」




今まで胸に痞えていたようなものがぼろぼろと剥げ落ちていく。




ああ、私は武藤君に会って弱くなった。

よく泣くようになった。

こんな自分は嫌なはずなのに。




「…それって、意味分かって言ってんの?」


あーとかうーとか言った後空を見上げて話しかけてくる。


「…なにさ、意味って…」



そんなのこっちが教えてもらいたい!





「あー駄目だわ、やっぱ」


はあと盛大にため息をついて項垂れる武藤君。




ああ、わかった。顔を見たくないぐらい武藤君は私の事が嫌いなんだ。


だから話しかけてこなくなったりしたんだ。

でも、武藤君は意外と優しいから困ってた私を放っておけなかっただけ。



大丈夫、大丈夫。

人から嫌われるのは慣れてるから。



段々と血の気が引いて冷静になってくる。

早くこの場から離れたい。


早く家に帰ってベットで寝てしまいたい。

今までのこともすべて忘れてしまいたい。





ズキリと心臓が痛むのを感じた。




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