表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
好き・苦手  作者: な吉
17:消えない記憶
54/67

1





ふわふわする。



体が浮いてる気がする。






まだ、この心地よさに眠っていたい気がするけれどそれはダメだと頭の隅で反論する声が聞こえる。




起きなきゃ。

また皆に怒られてしまう。



でも、まだ眠っていたい。


もう何もない平穏な生活に戻りたい。


そう思いながらも皆で騒ぐのが楽しいと思っている自分がいる。

あのメンバーに大沢さんが加わったら更に楽しくなるんだろうなぁ、と思いながら、大沢さんに謝らなければいけないことを思い出す。




とても暖かい。

前に一度嗅いだことのある匂い。



とても安心できて守られてるんだと思わせてくれる。




いつまでも、いつまでも、この匂いの中に居たいと思ったけれどいつまでも甘えてちゃいけないのだ。




(起きて皆に謝らなきゃ)







ゆっくり、ゆっくりと目を覚ましたらそこは知らない部屋だった。



起きたばかりの頭では今の状況がよく把握できない。

体はだるい。動かすのも億劫で。

それでも首だけ動かしてあたりを見渡してみた。



右側に首を動かしたときに目に入ったのは椅子に座って腕を組んでいる武藤君の姿だった。



(寝てる…)


そうか、この感じ、前にもあった。

武藤君の部屋で目を覚ましたときと同じだ。


なんだかんだ言っても安心するんだ。

この人の傍は心地よい。



なんとなく目を逸らさずに武藤君の寝顔を見てみる。


目は閉じてしまってあの赤い色の瞳は見えないけれど。

長い睫毛。整った眉。すっと通る鼻筋。

薺とは対照的な蒼い髪。


どれをとっても綺麗だと思った。



外見だけじゃない。

しっかりとした意思を持ってる。

口は悪くて素行も悪いのかもしれない。

でも、それを差し引いても人を惹きつける魅力を持ってる。






とても、綺麗な人。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ