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正直、今私はいろんな人に助けられて支えられてる。
でも、大沢さんは?
今、誰が支えてあげれてる?
誰が助けてあげている?
「…大沢さん、今日…一緒に帰らない…?」
「え、いいの?」
そうだ、自分から誰かと一緒に帰ろうとか言うのは生まれて初めてだ。
同情とかじゃない。
一緒に居るだけでもいいんだ。
そしたら、辛かったら言ってもらえる。
こんなに、綺麗な人が辛そうにしてるのは見たくない。
心のそこから心底思った。
「涼華さん、ありがとう。じゃぁ今日一緒に帰りましょう」
すっごく楽しみと言って大沢さんは教室に向かって駆けていった。
うん。そうだ。
私も嬉しい。楽しみ。
少しでも、大沢さんに近づけたのかな。
少しでも支えになってあげられたらと思う。
支えてもらうだけでは駄目なんだ。
大沢さんには笑っていてほしいんだ。




