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好き・苦手  作者: な吉
11・泣く事話す事
39/67

2




「お前さ…無防備すぎ」


へ?何の事?



「普通、付き合っても居ない男を家に入れないだろう」



いやいや、武藤君が勝手に家に乗り込んできただけ出し。


「よく、絡まれるし」


それは、私のせいじゃないよ!


「わっ私は何もしてないからそんなこと言われてもっ!!」




「心配すぎて目が離せねぇよ」



うう、何も言い返せない。


現に今まで絡まれてきたのとか全部助けてくれたの武藤君だし…




本当に面目ない…




「んで、何があったわけ?」


「え?」


「さっき、と言うよりこの前の千鶴の件から全部話せ」


お前何か言ってないことあるだろう。

そう言われた。


怖いとか、不安だとか、言ってどうなるのかとか。

色々思う所がある。



「べ…別に…」


なんて言えば良いのか、言ってしまって迷惑が掛からないのか。

そんなことばかり考えてしまう。




バン!!!!


と、突然の物音。


びくりと反応する。



「お前、それ本気で言ってんの?」



ああ、今のは武藤君が机を叩いたんだ。




昔からそうだ、怒られたりすると口を閉じて足元を見てしまう癖。

相手の顔を見ることが出来なくて。


余計に相手をイライラさせる態度を取ってしまう。





「涼華!別に何も無い分けないだろうが!

お前はいつもそうやって肝心な事は何も言わないよな!

そんなに俺等が信用出来ないのか!?」




違う、信用してないわけじゃない。

皆こんな自分に優しくしてくれるから。

話しかけてくれるから。

笑いかけてくれるから。



言えない。


迷惑掛けられない。



自分で何とかしなければ。





…じゃないと嫌われる。




「た…大した事じゃ…ないから…」




声が震えて、血の気が引いて。



体温が下がっていくのが分かる。




ああ、嫌だ嫌だ。

こんな自分。



居なくなりたい。

消えてしまいたい。



嫌な事があると、いつも頭の中で回る言葉。




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