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いじめとか小さい頃から良く受けてきた。
原因は分かってる。
協調性がないだとか。
意見をはっきり言わないだとか。
色々あって自分でそれを自覚している。
だから当たり障りの無いように、なるべく目立たないように生きてきたんだ。
「ここは…」
目を覚ましたら全く知らない部屋だった。
なにが起こったんだろう…。
えーと良く思い出せ!自分!
確か、朝大沢さんと会って、数人の男の人達に声を掛けられて、その後呼び出しくらって…
起き上がろうとしたら全身に痛みが走った。
「いっ!!!」
言葉にならないような痛みだった。
「涼華さん!!!駄目よ!動いちゃ!!」
???この声は…大沢さん…???
「あれ、大沢さん?」
「よかった!気づいたのね!2日も寝たきりだったから…!!」
2日!?
「あ、大沢さんありがとう、なんだか迷惑かけたみたいで…」
きっと大沢さんが看病してくれたんだろうと思い感謝の言葉をいった。
「あら、私じゃないわよ。
そもそもここは将の家だし。」
にっこり爆弾発言じゃぁありませんか?
「え!?む…武藤君の家なの!?てか部屋!!??」
驚きすぎて飛び起きた。
そしたら又傷が痛くなった。
「ごめんなさいね。涼華さん」
「へ?何が?」
なんで大沢さんが謝るんだろうか。
「その、涼華さんを…呼び出したメンバーね…」
なんだか大沢さんの歯切れが悪い。
言いたくないことなら無理して言わなくて言いんだ。
「大沢さん、なんだか分からないけど大沢さんの方が顔色悪いんじゃない?
言いたくない事は無理して言わなくて良いよ」
うん。良く昔母さんが言ってた。
相手の気持ちを汲み取れるようになれと。
父さんが言ってた。
事実がどんな事でも全て受け入れろと。
「ち、違うの言わなきゃいけない事なのよ…」
「うん?」
大沢さんは目をキョロキョロした後意を決したように、
「りょ!涼華さんは!噂知ってるでしょう!私が将の事…」
ああ、大沢さんが武藤君を好きだという話。
まぁ、武藤君は否定してたけど…。
「大沢さんが武藤君を好きだという…」
そう言ったら大沢さんは嫌な顔をして、
「そう!その噂のせいなの!全部!!」
「っとういと…?」
「涼華さんを呼び出したメンバーね、
私の小学校からの友人が居るのよ。
そりゃぁずっと昔は将の事いいなーとかって思ってた時期はあったけど、
それは薺とかにも感じる物で…
家族みたいな思いだって気づいたの」
ゆっくりと考えながら話していく大沢さん。
「えーっとそれでね、昔、その…友達にそういう感じのことを言ったのよ。
まだ、家族に対するような想いだって気が付く前に、
そしたら協力するよ見たいなこと言われて…」
少し伏せ目がちになりながら。
「それからずっと…武藤君に寄る女の子を目の敵みたいにイジメのターゲットにして…」
今までのことを思い返しているようで。
少し大沢さんの声は掠れてた。




