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好き・苦手  作者: な吉
標的
30/67

4





良く見たらトイレの個室に押し込められたようだった。



「ハッ…もう何さ…!」


ドアはどうやっても開かない。

表から開かなくしているようだった。



「くそ!」


叩いても蹴っても動きもしない。



「この写メどうなるか良く考えな」


「ハハ、明日から外歩けなくなるかもね」


ゲラゲラと扉越しに笑い声が聞こえる。




頭が痛くなってきた。

怪我が痛み出してきた。


体中にあざが出来てる。





「そんな事してみろよ!!あんた等絶対許さないからな!!」



本気でムカつく!!!



「言ってろバーカ」

「その前にここから出られないかもね」

「まぁ死なない程度に頑張ればー」


どう足掻いても開きやしない。





くやしい。


くやしい。










悔しすぎて泣けてきそうだ。




外でまだ話す声が聞こえたと思ったらうえの隙間からホースが出てきた。






大量の水が降ってくる。




「うわぁっ!」




バシャバシャバシャッ




また、ずぶ濡れになった。







*****************







外で声が聞こえなくなってどれくらい時間がたったのか。



携帯は鞄の中だ。


鞄もどうなったか分からないし。




頭は痛くて。

体中痛くて。



少し熱が出てきたようだ。




このまま、見つからないのかなーとか。

このまま死ぬんだろうかとか。



どんどん暗い方向に思考が行ってしまう。



とりあえず座ってボーっとしてるしかない。




薺や葛葉は心配してくれてるんだろうか。

赤里君は教室に居るんだろうか。

武藤君はどこに居るんだろうか。



色々と考えても結局分からないし。


熱が上がってきたみたいで体がだるくなった。




このまま、気を失って目を覚ました時は夢落ちでしたーとかってないんかなぁ…




「ありえない…」





今までで初めてだ。


色んな目に合ってきたけど。



女の嫉妬って怖いなぁ…




何であの人たちは私を目の敵にしたんだろうか…


別に私が武藤君に相手にされるはずもないのに。


薺の友達だから興味本位で話してるだけだろうし…






色々考えてても訳が分からなくなり意識がぼーとしてきた。





あ、やばいと思ったら私はそこで意識を手放していた。




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