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3人のギャル系の女子が赤里君の周りを囲んだ。
わいわいキャーキャー話してる。
良く彼は笑顔で対応出切るなーと思いつつ正面を向いた。
そしたら女子の一人に声を掛けられた。
「ねぇ、席変わってくんない?」
笑顔だけれどなんともまぁ圧力がある。
正直嫌だ。
つーか寧ろ赤里君に席を移動してもらいたい。
「え…正直嫌なんですけど」
こういう時に良い言葉が出てこない私はついつい本音が出てしまう。
「何よ!どこだって良いでしょう!あ!なーにそれともアンタも赤里君と席近い方が良いって言うわけー?」
ギャーギャーと騒がれてクラスの人間が見ているのが分かる。
身の程を知れ!とか、釣合うと思っているの!?とか。
いやいや…たかだか席一つでこんなにも攻められるなんて思いもしなかったよ。
考えが別のところに行って女生徒の話を全く頭に入れていなかった。
そしたら突然腕を引っ張られた。
「ちょ…!!」
あー、あれ、呼び出しってやつ?
トイレとかに連れて行かれたりすんのかな?
とか意外と冷静に頭が働いていた。
椅子から立つようになるのと同時に今度は上から声が聞こえた。
「「何やってんの?」」
どす黒いオーラを醸し出している問題児2号と3号。
薺に…武藤 将
やっべ。私の友人って不良が二人も居る!
こんな事になった原因の赤里君を見てみた。
未だにニコニコ笑っていた。
「ちょっと!なによアンタ達!」
私の手を掴んでいた女子一人が薺達に食って掛かろうとした時に周りに居た二人があわてて彼女を止めた。
「まずいって!この二人は!」
「やめよう!行こう!」
そう言って彼女等は正反対の廊下側の一番後ろ側の席に向かっていった。
「大丈夫か。腕」
そう言って私の隣の席に座る。
「あ、え、うん」
心配してくれたのは武藤君。
「ちょっと!今の女達アンタが原因でしょうが!涼華になにかあったらどうしてくれるってわけ!?」
かなり切れ気味で赤里君に喧嘩を売ってるのは薺。
「大丈夫だったじゃん。何かある前には止めてたよ」
ははははと笑う赤里君。
この二人は氷と炎だ。
温度差がありすぎる。
ギャーギャー騒いでる薺たちを無視して武藤君が話しかけてきた。
「そういやー涼華とこうやって話すの初めてじゃねー?なんか新鮮な感じだな」
薺が赤なら武藤君は藍だなー髪の色。
なんて思ってしまった。
ボタンは必ず第二ボタンまで外して露出し、シルバーのピアスとネックレスをしている彼。
正直赤里君より苦手だったりする。