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「特にさー武藤君に媚びてるみたいじゃーん?
その顔でさー。笑えるー」
ゲラゲラ、アハハハ。
馬鹿にした笑い声。
次々に私に対する不満や中傷。
いい加減、聞き飽きた。
これぐらいで私がどうかなるとか思っているのか。
「放して。大体武藤君に媚びてないし。
自分達が相手にされないからって私に八つ当たり辞めてください」
ばっと肩の手を払いのける。
私のその言葉が気に入らなかったのだろう。
目の前の人は血相を変えて、
「はあ!?アンタが媚びてなかったら何なわけ!?
武藤君からアンタに言い寄ってるとでも言うの!!??
大体大沢ぐらい美人ならまだしも!!
アンタみたいなブスに!!??」
バチン!!!!
右頬に電撃が走った。
「いった…!!何すんの!!!」
もう一回叩かれた後に全身がびしょ濡れになった。
頭の上から水を掛けられた。
「うわー!最悪!!私まで濡れただろ!!」
突然のことで身動きが取れなくなっているところにお腹に蹴りが入った。
「い…!!」
思わず倒れてしまった。
上から見下ろす視線に目をやった。
7、8人の厭らしい笑い顔。
私はきっと逃げられない。
もう2現目の予鈴が聞こえた。
ここは旧校舎。
きっと誰も通らない。
ここ最近私はついてなさ過ぎると思う。
何度も何度も蹴られて、殴られて。
意識は朦朧としてるけど気絶はしなかった。
気絶したら負けるような気がした。
変な意地がある。
「ねぇ、アンタがさ、武藤君と赤里君の周りをちょろちょろしてると邪魔なのよ。
2度と近づかないでくれる?」
「赤里君と武藤君はねぇみんなのなのよ。
誰か一人だけの物になるなんて許されないの」
何、ソレ。
武藤君も赤里君も物じゃないだろう!
みんなのものって…笑わせる。
本人達がソレを望んでいるとでも?
顔だけで勝手にアイドルみたいに作り上げて。
「あんた達は!本人達の気持ちを考えた事があるのか!?
私がどうしようと関係ないだろう!!」
「あんた、立場が分かってないようだね!?」
一人がそういった後に蹴られたり殴られたり、極めつけにはホースでつながった水道の水を掛けられた。
「うわ!」
上から下まで全身水びだしで。
体中が痛い。
寒い。
肩で息をして、座るのが精一杯だった。




