表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
好き・苦手  作者: な吉
22/67

3





HRが始まっても薺と武藤君は来なかった。


先生が出席を取って伝達事項を伝えて短いHRは終わった。



1現の用意をしないと、そう思い用意をしてたら突然、


「月路さん、少し良いかしら」


にっこりと、とても綺麗な人が声を掛けてきた。




人気の無い廊下。


向かい合っているけど一向に目の前の綺麗な人は話をしてこない。



…なんだろう。





2分か3分か。


もしかすると数秒かもしれない。


目の前の彼女は私を上から下まで見てやっと口を開いた。



「単刀直入に聞くわ。月路さんは武藤君の何?」


別に怒っている感じでも、睨んでる感じでもない。

ただ、私の言葉を待っている。そんな感じ。



「何って…。友達…?どちらかと言うと知り合いに近いと思う…」



うーんと考えて出した答え。


別に、周りの皆は何でそんなことを聞いてくるのか。





「そう、ごめんなさい。わざわざ時間を取ってしまったわね。どうもありがとう」


そういうと目の前の彼女は長いふわふわの髪を翻しながら廊下を歩いていった。




教室に入ろうとしたら近くにに葛葉が立っていた。




「涼華、彼女知ってる?」



え?


「今の綺麗な人?」


知らないよ。といったら本日2度目のため息を付かれた。



「彼女は2-1 大沢 千鶴 学校一の美女だと言われているのよ。

きっと知らないのはこの学校でアンタぐらいよ」




マジで!?今の人そんなに有名なんだ。


「へぇ…道理で、綺麗な人だね。彼女」



同じ学年なんだ。先輩に見えた。



「何で彼女が会いに来たか分かる?」



「さ、さあ?そういやなんで?」



そう言えば何で?



「彼女、武藤君が好きだというのでとても有名な人よ。

きっと一昨日の話を聞いてアンタを見に来たんだと思うわ。何も無いところから噂は立たないから。

…事実かどうか確かめに来たはずよ。

涼華と武藤君が付き合っているかどうかって」



「あはは、だからありえないって。本当に」


本当にありえない。

武藤君に釣合うのは今みたいな本当に綺麗な人だと思うよ。






私なんかと噂が立ったら可哀想だよ。




*************




それから、休憩時間のたびに数人に声を掛けられたりした。

何でこんなに色んな人が来るんだろう…




「はよー」

大きな欠伸をしながら入ってきたのは薺。



「おはよう」

本当はもう、おはようの時間じゃない。



今は昼休憩だ。


なんだか今日はいつもよりとても疲れた。



「どうしたの薺、今日はもうこないと思った」


葛葉の台詞に、


「あー…朝母さんが突然倒れてさー」


「え!?あの雪菜さんが!?」


「大丈夫なの?」


私と葛葉が口を揃えて薺に聞く。


「ああ、それで病院に行って来たんだ。

大した事無かったよ。只の風邪」


本当に人騒がせだよなーと笑いながら椅子に腰掛ける薺。



「あ、涼華ソレ?買った眼鏡っていうのは?似合ってるじゃん」


そーかな?でも、眼鏡が似合ってるってどうなんだろう。



「そう聞いた?ソレ選んだの武藤君らしいわよ」


マジか!?っと薺と葛葉と赤里君が何故か盛り上がっている。


その話をしたとたん数名の視線を感じた。



だけどそちらの方を見たけど誰もこっちをみてる雰囲気じゃなかった。





気のせい…かな。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ