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好き・苦手  作者: な吉
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一昨日…?



ああ、確かに。



「まぁ、確かに…」


ソレがどうしたの?と言う顔で葛葉を見ていたのだと思う。



「…昨日、学校中が凄かったのよ」


何が?どう凄かったのさ???


頭の上に?マークが一杯浮かんでいたんだろう。



「武藤君って素行が悪くて喧嘩早くて、態度がでかくて遊び人だけど、

顔の良さからファンクラブがあるらしいのよ。」


へー、本当にそんな人だったんだ。

そんなの漫画だけだと思ってたけど。




「ファンクラブだけじゃなく彼女になりたいって人物もかなり多いのよね」



すっごいね。

でも、葛葉や薺。赤里君もファンクラブみたいなのがあるよね。


よく、そういう人達に声を掛けられるよ。




「涼華!どういう意味かわかってる?」


「え、武藤君が凄い人物って事?」



「お馬鹿!!女の嫉妬は怖いって事よ!

アンタと武藤君が休んで2人でデートに行った事で

アンタが危険な状態になったって事!!!

武藤君がアンタと付き合ってるって噂が立ち始めてんのよ!」







はい??




今、なんとおっしゃいました…?



「く、葛葉…私は武藤君と買い物に行っただけだよ」



「男女間で友情が成立するのは互いが友人だと

心の底から思うことが定義だと思うのよ。

片方がそう!別の感情を持ち合わせていたら

ソレはその人物に取ったらデートになるんじゃなくて?」




いやいや、そんな凄い剣幕で見られても。



「はは、別に何も無いよ。てか、有り得ないから」


心の底からそう思う。



「アンタがそう思っていても、周りがどう思うかよ」


用心しておきなさい!!とまるで母親みたいに言われてしまった。


もうすぐHRと言うのに薺と赤里君と武藤君は一向に来る気配が無い。



サボりかな?



私の後ろ、赤里君の後ろの席の葛葉は未だに怒った感じだ。



一体、何なのさ…。



あ、結局ノート見せてもらえなかった。





実は、分かってるんだ。

葛葉が言った用心しろと言った意味も。



先程から、何十と言う視線を感じている。


いつもそう、他の4人が一緒に居る時も見られてる気はしているけど今日は一段と凄い視線。




ソレも、恨んでいる様な、馬鹿にしているような。





多分どれも言える事は、私のことが気に食わない。




きっとそれだ。






気づけば赤里君が教室に入ってきていた。



数名の女生徒たちに挨拶をしながら。






「おはよう、涼華」


いつの間にか目の前ににっこりとした顔。



「お、…おはよう…」


また、一段と濃いくなる視線。


それに伴って聞こえてくる会話。



いつもの事。



ただ、ソレが今日は一段と凄い。



いつもは聞こえない程度だけれど、今日はあからさまに聞こえる陰口。


いや聞こえるから陰口ではないか。



悪口…かな。




「涼華、一昨日は楽しかったかい?」


赤里君が何を考えているか全く持って見当が付かない。


「はぁ…まぁ…」


きっと間抜けな顔で答えた。



「そう、よかった」


また一段とにっこりした顔。



なんともまぁ、裏のありそうな顔。



私は素直に赤里君の笑顔が綺麗な笑顔だと思えない。




いや、顔は綺麗なんだけれど、いつも、思う。





きっと心の底から赤里君は笑った事が無いんじゃないかと。



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