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「へー。すげーな。俺は作るより壊す方が得意だからなー」
へーとかふーんとかずっと言ってる。
そう言えば、私は武藤君に親が居ないとか言った記憶がないけど、何も言ってこないって事は知っているのかなぁ…。
薺とかが言ってそうだけど…。
ずーっと残り少なくなったコーラを一気に飲み干した。
それから何てない会話をしてゴミを捨て店を出た。
気づけば10時を過ぎてた。
眼鏡を作りに行こう!という当初の目的の通り眼鏡ショップに来た。
フレームを選んだりレンズを選んだりとしてたら結構高くなるんだよなー…。
私の考えを他所に武藤君は好きに眼鏡を見てた。
遠目からだからあまり分からないけれど珍しそうに物色してた。
私は私でうーんとどれにしようか悩んでいた。
「青…赤はちょっとなー…薄い紫でもいいんだけどなー」
レンズが大きいのから小さいのまで色々ありすぎて正直悩む。
目が悪すぎるからなー、そしたら牛乳瓶の底みたいになるし…
「決まったか?」
さすがにもう飽きたのか私の所にきた。
「いいやー…やっぱり値段もそこそこするしさー…」
壊れた眼鏡と同じようなのを探して掛けてみたりしたけれど違和感ありまくりだった。
「思ったんだけど何でコンタクトにしねーの?」
隣でこんなんは?とか言いながら私に眼鏡のフレームを渡してくる。
「コンタクトは絶対にしないって決めてるんだ。だって!目にレンズ入れるんだよ!?怖いじゃん!!」
眼球傷つきそうだし!そのまま寝たらレンズが目の裏に入るとか恐ろしい事聞いたことあるし!!
「はは。確かに。そんなん聞いたら怖ーな」
絶対怖がってないよ。この人は!
「お、コレお前に合うとおもうぜ」
そう言って渡されたのは前のに比べて少しレンズが大きく薄い紫がかったフレーム。
レンズが丸い…。
ソレを掛けて置いてある鏡を見た。
どう…何だろうか。
正直、もう面倒くさくなってきたのが本音だ。
「良いじゃんソレ。すんませーんコレ下さい」
私を他所に勝手に店員さんと話を進めていく武藤君。
あれよあれよと言う間に「じゃあ視力測りますんで」といわれ検査スペースに連れて行かれた。
今までに何度もやった事ある検査をして店員さんに結構悪いですね。と言われ、レンズの種類をどうしますか?と言われた。
わーお。やっぱり値が張るね。
一番薄くなるレンズは在庫が今店にないから1週間掛かると言われたので2番目に薄いレンズにしてもらった。
「いつぐらいに出来そうですか?」
そう。眼鏡が出来るのは結構時間が掛かるのだ。
「そうですね。明日には出来ますよ」
にっこりと店員さんに言われた。
「え、意外と早いですね」
いつもなら2、3日は掛かるのに。
「ちょうど在庫がありますからね。急ぎで作りますよ」
明日の午前中には出来ると言う話なので明日取りに来ると言う事で予約をした。




