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好き・苦手  作者: な吉
15/67

3




「まぁ、どっちでもイイや」


あ、どっちでもいいんだ。

結構真剣に考えたのに。


「嫌いとか苦手なもんって変わってくるしな」

はははと笑いながら言う武藤君。

心が広いんだろうな。



「交流を深めたら何て事はないだろう」


交流を深める、かぁ。

もっと話すとか?





「それより顔」



顔?


「痣になってんじゃん。ソレ」



なんて顔をするんですか。

折角の顔が台無しですよ。



「痣にもなるんじゃないかな。すごく痛かったし」



すっと、武藤君の手が伸びてきて来て左頬に触れた。


あ。意外と冷たい。



「お前化粧とかしねーもんな…。ガーゼとかねーの?」


もちろん化粧はしたこと無いッスよ。


ガーゼはあったかなー?


「さ、探してみるよ」


武藤君の手から逃げるように救急箱をあさり出した。




「あ、あった」

ちょうどテープも。



取り出したとたん武藤君に奪われた。



「あ」


と声を出してる間にささっとガーゼを頬に当てられテープで固定された。



「なんだか大怪我したみたいじゃない?」


「大怪我だろ!大怪我!後残ったらどうすんだ!」

アホ!と言われた。



くそう。何もアホと言わなくても…。



「そう言えば、武藤君って何しに来たの?こんな朝早くから…」


特に用事が無いというならば早々に帰ってもらおう!



「あ、そうだよ、お前今日眼鏡作り行くだろう。それに付き合ってやるよ」


「え!?」



「嫌な訳ねーよな?俺が一緒に行ってやる言ってんだから」

ニヤリと笑う武藤君から不吉なオーラが出てた(見えないけれど)








今日もまた、穏やかではない一日になるんだろう。



そう思ったら又ため息が一つ出てきた。




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