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薺と葛葉はボーリングでの事を未だに言っていた。
頬は痛い。
眼鏡が無くて何も見えない。
なんだか今日一日付いてなかった。
明日、眼鏡を作りに行こう。
そう思ったら、明日も又学校サボる事になりそうだ。
「涼華、明日学校どうするの?」
聞いてきたのは葛葉。
「多分…休むと思う、腫れが引かないだろうし」
はぁと温くなってしまったタオルを手に取りため息を一つ。
「本当、涼華のその顔見たとき心臓止まるかと思ったよ」
薺が心臓に手を当て安堵のため息をつく。
「まさかこんな事になるなんて思わなかったよ。
将だって驚いたと思うよ。てか相当切れてたし」
そう言えば…武藤君にきちんとお礼言ってない。
…後でメールでもしよう。
それから適当に他愛もない会話をしてたらあっという間に家に着いた。
薺と葛葉が泊まっていこうか?とか言っていたが断った。
ポケットから家の鍵を出し玄関を開ける。
靴を脱ぎ捨て脱衣所へ向かい鏡を見た。
うわぁ…。
只でさえ酷い顔がさらに酷くなってる。
お風呂に入ったら痛いだろうなーと思いながらお風呂に入る準備をした。
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案の定痛くて泣きそうになった。
そう言えば、この前熱を出したときに買った冷えピタがあることを思い出した。
「いったー!冷た!!」
痛みが酷い左頬に冷えピタを貼りベットの上にころがった。
なんて送ろう。
携帯をボーっと見つめて考えた。
結局散々考えてもいい言葉なんて思い浮かばないから件名に『今日は』と入れ本文に『ありがとう』と味気ないメールを作成し送信した。
ああ、今日は疲れた。今日だけで3年分ぐらい体力使ったかも知れない。
せっかく買った本も読む気がせずにそのまま部屋の明かりを消した。
武藤君から返事が送られて来ないと思ったからそのまま深い眠りに付いた。




