第3話 ユッキー町に行く!そして初めての…
某月10日22:35
「うぉっしゃー!ミッションクリアー!!」
ちょっと感動と目尻に溜まった涙で画面が薄っすらぼやけてる。
ユッキーを階段脇から落下させる事25回。
ついに私は1段づつ踏ませる事で階段を降りきりました!
いや、もうホント長かったよ。
それにしても、なんでこんなに難しいミッションを初心者にさせるかな。ドSなのかな、このゲーム作った人。絶対そうとしか思えない。初心者に幅1~2mmしか下の段が見えない階段を降りさせるなんて。 正直私は途中で心が折れそうになったよ。
ま、文句も言わず頑張ってくれたユッキーには凄い感謝…ユッキーは単なるキャラクターだから怒ったりしないけどね。でもでも、それでも私はユッキーにお疲れ様と言ってあげたい。
そうそう、25回目に階段から落ちたとき、メッセージ欄に『スキルが追加されました。』って表示されてたんだけど何だったんだろう。というかスキルの確認の仕方わかんない。後で説明書でスキルの確認方法を調べよう。
とりあえず5分休憩しよう。さすがに集中しすぎて疲れた。マウス握る手が汗掻いちゃってるし。
某月10日22:40
休憩って大事だね!5分だけなのにすごくユッキーの操作がしやすくなった。休憩してる間にユッキーのLPも全回復したし。
さてと。階段の上から見えた町。あそこが最初の目的地だ、頑張ろう!
階段から町までは草原の中を白い煉瓦(レンガ)で出来た道が続いてる。ただ、町までは多少距離があるみたいだ。まぁ無心になってユッキーの前方の道をクリックしていればそのうち着きそうだけど。
あの階段ミッションをクリアした今の私には距離なんて障害にもならない!
某月10日22:45
ユッキーが煉瓦道をトコトコと歩いてるとだんだん町の入り口らしき門が大きくなってきた。
もう少しだよ、ユッキー!
ところで、さっきからずっと気になってる事があるんだ。煉瓦道の外側に一定感覚で青い丸い物体が並んでるんだよ。なんだろう、上に乗れたりするのかな。気になったら試してみるしかないよね。
青い物体をクリック。
あれ?
なんか変。
なんだろう。
トテトテとユッキーが近づき…
あ、そうか!道を指してるときは矢印だったカーソルが『ジャンケンのグー』になってるんだ!!
「ポムッ」
軽い音を立ててユッキーが青い物体を叩いた瞬間、青い物体がカッを目を見開いた。
やっば…なんかとても目が怒ってるように見えるよ、逃げな
『 セーブポイントに戻りますか?
「はい(Y)」 「いいえ(N)」 』
ああ、何か見慣れた表示が出た。
「はい(Y)」を選択する私。
画面は真っ黒な洞窟の中へ…。
「あああああああああああああああああああああっ、またここからなのっ!!!」
心折れそう。
某月10日23:15
町にようやく到着。今日はもう遅いのでここまでにしておこう。
『ログアウト』
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キャラクターDATA
名前:ユッキー 筋力:5 敏捷力:5 耐久力:3
性別:♂ 知力:1 技術力:1 魔法力:1
Lv:1
LP(ライフポイント):1/20
装備
武器:なし
防具:なし
アクセサリー:なし
スキル:未確認スキル1
次回は「第3.5話 オマケ1:友人との会話。」です。