第9話 ユッキー初めての・・・スパルタ。コレっていいの?
ユッキーの容姿について訂正しました。(書いてる本人が書いた事を忘れていた所為です。すいません)
某月16日22:02
「っていうか今決めた。よし、スパルタで今から…はもう遅いから、明日の昼から育てるから覚悟なさい」
「え、ええーっ」
突然立ち上がってテーブルに両手を叩きつけながら私に言い放ったフィーナ。
私はユッキーを椅子に座らせて、お茶を啜っていたんだけど突然の宣言の意味が分からなかった。
スパルタって、何ですか?
私の混乱を他所にフィーナは悪人顔になりながら言葉を続ける。
「ユッキーのサポートは私がするとして、釣り役が3人程欲しいところだわね。うちのギルドの騎士連中を呼ぶか・・・」
釣り?何か大物の魚でも釣るんですかね?あ、でも育てるって言ってるし・・・私が釣るのか?っていうかそんなわけないよねー。なんでだろう。とても、心の底から嫌な予感がするんですが。
某月17日17:10
「オーレ、イッヒーッ。おっまたせ、餌の時間だぞユッキー」
月明かりの薄暗い廃墟の中に地響きのような音を立てながらやつらはまたやって来た。大量の死霊系モンスターを引き連れた黒金の鎧を着た騎士。私の姿を見つけてにんまりと口を歪ませる。
(こっち見てその笑みを浮かべないでください。はっきり言ってモンスターよりも怖いんですよ、アンタ。)
私は画面越しにため息をつきながら、ユッキーに持たせたホーリーサイズを連れて来られたモンスターの集団に向って横薙ぎにフルスイングした。
フィーナから渡されたこの武器は刃の大きさだけで1.5mくらいある大きな鎌。私の所持可能重量の8割を超えるというとんでもない重量なんですよ。その名の通り聖属性が付与されているので死霊系のモンスターととても相性が良いのだとか。
ホーリーサイズの一振りで5・6匹のモンスターが崩れ落ち、ドロップ品を残して消失する。ちなみに此処のモンスターは結構強いモンスターらしい。3次職のLv70台4人以上のパーティ推奨の場所らしいです。持たされてる武器が尋常じゃない攻撃力の所為か、あまり強く見えませんが。とはいえ、最初は3回に1回の割合で攻撃に失敗して死んでました。繰り返している内に徐々に死なない回数が増えてきましたが。
10回程繰り返すと1回の戦闘が終了。と言ってもこの狩りが終わるのではなく、騎士が連れてきたモンスターを倒し終わると言う意味で。同じように釣れて来る騎士がまだ他に2人いるのですよ。
延々と繰り返している内に足元には既に大量のドロップ品が溜まってましたが、私にはそれを拾っている暇なんて全然なかった。始めてからどの位経ったのか、もう時間の感覚もなくなってきました。
(さすがにゲームだけあって疲れ知らずですねー。現実でこんなことしたら5分経たずに腕が重くなるんじゃないかな。)
とりあえず、今の私に出来るのは壁のように大量にいるモンスター達をひたすら倒す事だけ。目の前にいるモンスターを倒す為に、鎌をフルスイングするだけの簡単なお仕事です。
ああ、まだ今の分のモンスター倒してる最中なのに、遠くから地響きが聞こえるよ。
うん、逃げたい。
次回『第9.5話 狩りのその後』
遅くなりました。ちょっと途中感がありますので、狩りの後の話を書きます。短いのと、ユッキーがどの位成長した(させられた)のかステータスをつける予定です。
では~。