月光
ありがとうございます。拙い文章ですが、少しでも面白い内容になるよう努力します。たくさんのアクセス、酷評でもかまいません、評価・感想を心よりお待ちしております。
『始まりと終わりは等価値である』
そんな言葉を聴いた気がする。恐らく、頭でも打ったのであろうとユウゴはその時は思うことにした。
所持品:厚みのある財布(ちなみにほとんどが会員書や、ポイントカードが占める)
:ケータイ電話(コア2プロセッサ、静電気感知式のタッチパネル、
GPSも搭載されているが範囲外らしい。もちろん圏外)
:ギアメモリー(ハンズフリーマイクのような形をした脳波変換媒体)
:その他、ポケットに屑ゴミがすこし
コスプレをした変態オヤジどもを振り切って1時間はたっただろうか。リサという少女の手を引き右往左往、完全に迷子。
と言うかそもそもここは何処だ?先ほどの森が眼下に見渡せる切り立った岩場の上で一息つく。
「ここなら、さっきの奴らが来てもすぐにわかるから安心だ。大丈夫か?」
背には布がすれる音がする。深夜と言うことあるのだろう、澄んだ大気によく響く。
「夜は冷えるな。」何かしゃべってないと落ち着かない。
彼女の裂かれた布切れが痛かった。特に大事はなかったということだが、やはり・・・
「ユウゴ、これあったかいな。」背から聞こえる彼女の声から、無垢な笑みを浮かべているに違いないと思う。
「そうだろう、それ高かったんだ。ダブルネームだぞ。」
木々が揺らめくのが見てとれる。海のさざ波を眺めているような気分になる。石の硬く冷たい感触がよく尾骶に響く。
「ダブルネーム??」黄昏れるユウゴの横顔をリサが後ろから覗き込む。
幼さがあるが、可愛いというより美人に近い顔立ちだ。外国人だからだろうか、一言でいうと上品なフランス人形を彷彿させる。
「おい!危ないぞ。」切り立った岩場。数十メートルの崖。さほど広くない踊り場を舞うように踊る彼女。
ポケットから伸ばした手を収めると、何故か落ち着いた気分になった。
月夜のスポットライト、お気に入りの赤のダッフルコートに着られた金髪碧眼の少女、眼下に広がる深緑線。
「まるで、おとぎの国だな。」友達と遊んだり、家族と食事したり、色々楽しいと思えることはあるが、
いつも何か見えない何かに急かされていたような気がする。とそんなことを何気なしに考えていた。
が、何かがおかしい。何かが。
踊りはワルツのようで、一定のリズムでステップを刻む。
なびく金髪は闇夜に反射し、蝶が燐粉を散らすごとく幻想的で、、、
彼女の影が2つ。2つ?
はっとしたユウゴは、満天の星空を見上げる。そこには、黒赤色と白黄色の双月が・・・
「えっ、ここはどこだ・・・リサ」
三拍子のリズムを止め、こちらに向き直る彼女。
「ここは煌国だよ。彩の森。」
あどけない声とは打って変わり、淡々とした返事。
「日本じゃないのか?」「ニホンってなに?」間髪いれず問答を返してくる。
「どうして、俺はここにいるんだ?」今まで積み上げてきた環境が音を立てて崩れた気がした。
「私が、召んだから。」その声は少女というより悪魔じみていた。
黒赤の月光は、真一文字に結んだ口元を浮き上がらせ、大きく見開いた潤む瞳を照らし出した。
「汝は、リサ・クラフトと契約を交わしこの地に召喚されし、インデックスの使い。
我が盾となりこの御身を守り、我が剣となり道を開かん。」