5話 整美委員はあの人と
——入学式も終わり帰宅した。
色々あったな、と思いつつベッドに体を預け、
まぶたを閉じた。
(——あいつが見せたあの顔は何だったんだろう。)
ずっと、あのHRのときのことを思い出しながら
そんなことを考えていた。
いつもクールで変わらない表情なのに
一瞬見えたあの優しそうな顔が脳裏に
焼き付いている。
そうこうしながら、そのまま眠りへとついた。
—— 翌日 ——
「——じゃあ、今からクラス役員決めだなー。」
今日のHRはクラス役員決めだ。
学級委員、風紀委員、保健委員…
適当に立候補して楽そうな仕事するか...と、思い
整美委員に立候補した。
各委員は二人までなれる。手を上げて、
「じゃあ整美委員します。」
「おっ!いいじゃないか。
じゃあ朝田よろしくな。」
比嘉は明るい笑みを浮かべ、
黒板に各委員に立候補した者たちの名前を
書き連ねていた。そして、次の手が上がる前に、
「——じゃあ俺も整美委員します。」
クラスの雰囲気が少しざわめいた。この声は——、
と思い振り返るとあの佐野が手を上げ
こちらを見ていた。
(えぇ...同じ委員だ...)
なんて思うよりも前にクラスの女子たちの
視線を感じた。やっぱり佐野はクールさがゆえに
人気なのだろう。そこを代われ、と言わんばかりに
無言の圧を感じる。
「あっ、私も整美委員なりたいかも!」
「私も!」
いきなり女子たちがなりたいと言い出した。
いまさら、と思いつつあまり敵に回したくないので
「じゃあ俺やっぱり辞め——」
そう言いかけたところで、
「俺は朝田とがいいけどな。」
佐野が、彼自身がそう言ったのだ。
(——!?え、俺がって言った?
ていうか名前覚えられて——)
思考も混乱して自分どころかクラスメイトも皆、
唖然としてる中、比嘉だけは
「じゃあ、朝田と佐野の二人で、よろしくな。」
そう言い、その後は役員決めも順調に
進んでいったのであった。
「よろしくな、朝田。」
休み時間になり佐野はこちらへ来てそう言った。
しかも少し笑顔で。
(えぇ〜。何なんだよもう〜!)
そんなこともあり、
初めて会ったときとは打って変わったような態度に
しばらく混乱してしまうのであった。
クールメモ
響は家で猫を飼っており、小学生の頃捨てられているところを見つけ、拾いました。体は茶色くて
名前はポン(♀)で味ポンの段ボール箱に
入っていたからだそうです。
家に帰ったときによく抱きついて癒やされるそうです。
颯志はウサギを飼っているのだとか。
彼もまた癒やされるようでウサギの前では、すごく
安らいだ顔になるそうで。でも、小学生のとき、
捨てられた茶色い猫を見つけエサを上げにいったときに猫が大きな犬に襲われているのを見てかばったときに
噛まれて以来、あまり犬が得意ではないそう。




