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17話 萌え萌えキュン

 ——いよいよ迎えた文化祭当日。


「——よし。1年3組皆十分しっかり準備してきたから、後は今日

 頑張るだけだ!しっかり頑張れよ!」


 HRで比嘉が皆に活入れをしている。


「お前らが優勝したら全員焼き肉おごるからな!」

「先生ほんとにー?嘘じゃないよねー?言ったからね?」

「ハハハ、本当だよ。」


 クラス全員で集まって円陣を組む。


「——それじゃあ、1年3組文化祭優勝目指してがんばるぞーっ!!」

「おーっ!!」


 HRも終わり事前の最終準備時間へ入った。今日の流れとしては、

 メイド役の俺たちは基本的に喫茶の会場である教室にいて営業、といっても、

 ずっと動き続けるのは大変なので、何人かで交代制で動く。

 開いた時間は休憩したり、他の企画を見に行ったりできる。

 他の人は客集めだったり料理づくりだったりいろんな仕事もしつつ、

 いろいろと、見てまわる計画も立てている。


 そのとき誰かが教室へ入ってきた。


「...あのー、ど、どうでしょうか...」


 その姿を見た皆は誰しも驚いた。そこには見たこともない小柄なメイド服を

 着た美少女が立っていた。


「...えっと...、誰ですか...?」

「あっ、私は吉川です。」


 その言葉を聞いて全員聞き返した。


「えぇ!?あの吉川さん!?」


 普段は前髪やメガネにマスクで顔が隠れていてよく分からなかったけど

 顔を出してメイクをして、全くの別人のようになっていた。


「えぇ〜!吉川ちゃん超かわいい〜!」

「うぉ〜すっげえ美人!!」


 男子や女子もとてもびっくりして騒いでいた。


「...それにしてもなぜメイドの格好を?」

「——それが、シフトを組んでいたら結構人数的に厳しくて、誰かメイドを

 してくれる人はいないかと、相談していたら、片山さんがあなたが

 やってみて、絶対に似合うから、と言われて断る間もなくメイクや

 衣装合わせをされて...」

「だって、絶対かわいくなる感じがしたもん!」


 片山さんも誇らしげにいっている。

 でも、メイド喫茶を提案した吉川さん自身もメイドになるとは...。

 っていうか、本当にこのクラス美男美女多すぎだろ...。

 メイド役以外の人たちだってみんな顔整っているし...。すごいな皆。


「——よし、それじゃああと少しで始まるから皆会場準備して。」


 そして準備を進めていっていると、文化祭の開始を知らせる放送が入った。


 窓の方から校舎の入口の方をのぞくと、保護者の人や地域の人、他の高校の

 学生などたくさんのお客さんが集まってきているのが見えた。

 

 しばらくして、校内に人が増え雰囲気が賑やかになってきた。

 どこのクラスも積極的にお客さんの呼び込みをしている。


「じゃあ皆配置について。」

「うん。」


 俺たちは店内で待機してお客さんが来るのを待つ。


「じゃあ、うちらはお客さん呼んでくるわ。」


 そう言って篠宮さんら女子メイドたちは呼び込みにいった。

 確かにあの人たちなら、たくさんのお客さんもひきつけられるだろう。


「ねぇねぇ、あそこメイド喫茶だってー」

「え〜どんな感じなんだろう〜」


 しばらく時間がたってうちのクラスの企画に興味を持ち始める人たちが

 増えてきた。しかも篠宮さんたちの客集めも大成功のようで

 ぞろぞろとお客さんがやってきた。


「お帰りなさいませ!ご主人様!」


 皆で声を揃えて挨拶をした。


「うぉ〜この子可愛い!」


「ご注文はオムライスですね。」

「では、ご主人様、一緒においしくなるおまじないを唱えましょう!」

「せーの!萌え萌えキュン!」


 お客さんはとても嬉しそうにして、喜んで帰っていった。

 旬もうまくやってるかな、と目を向けると、


「はーい!ありがとうございます〜。じゃあ、一緒に写真撮りましょ〜。

 はい、チーズ!」


 めっちゃメイドらしく業務を徹底していて俺よりも何倍も上手だなと思った。

 二人組の女性客が入店してきたとき、佐野が出向いた。

 俺は少し大丈夫かな...と少し不安に思ったが、


「お帰りなさいませご主人様。こちらへどうぞ。」


 淡々と接客をこなし、クールな表情がミステリアスな雰囲気を醸し出し、

 お客さんたちも見惚れてしまっていた。


「——萌え萌えキュン。」

「——わぁぁ...//」


 とどめに彼のポーズで彼女らは萌えつきてしまった。

 そんな客たちの様子を見た他の人たちも興味を示し、どんどん客が

 増えていった。俺達は休憩もしながら皆で順調に接客をしていった。

 そんなとき、俺は厄介な客に引っかかってしまった。


「なぁ姉ちゃん、可愛いじゃん。連絡先教えてよ〜。」


 複数人の男性客グールプの相手をしていたらこんな風に絡まれてしまい

 俺はしばし戸惑ってしまった。


「あ、あの...そういうのは困ります...あと...それに俺男なんで。」


 こう言ったら諦めてくれるかと思って口に出してしまった。

 客たちはすごく驚いた顔をして


「え〜男かよ!信じらんねぇ〜。ウケる〜!ギャハハ!」


 面白おかしく俺を見て笑っていた。嫌だな...そう思いつつまた対応をしようと

 していたら、後ろから佐野がやってきて俺を後ろへとかくまった。


「——ご主人様...そういうことはお断りしております。お引き取りください。」


 そう言って冷たい目つきで客を見下ろしていた。

 客たちも一瞬止まったがまたいつもの調子に戻り、


「おぉ〜、姉ちゃんもめっちゃ美人じゃん!俺のこと興味ない?(笑)」


 なんて言ってヘラヘラして最悪な態度を取っている。

 佐野はそろそろ我慢の限界のようで、客の手前まで距離をつめ、


「もう一度言う。さっさと帰れ。はっきり言わないと分からないのか?」


 そう言って強い態度をとり帰らせようとした。客も目の前に立った佐野の

 威圧にびっくりした。自分よりも背が高いんだから驚いたことだろう。


「お、お前も男かよ。ハ、ハハ、じゃあ帰るわ...お邪魔しましたぁ〜。」


 客たちは佐野の圧迫にたじたじでそそくさと帰っていった。


「ふぅ〜、何とかなった〜。あ、助けてくれてありがと。」


 俺は助けてくれた佐野に感謝の気持ちを伝えた。それを聞いた佐野は

 俺の体を上から下まで見るようにして言った。


「——これはお前のせいだな。女に間違われるくらいお前が可愛すぎるのが

 悪いんだ。もうちょっと気をつけろ。」

「——...え?あ、え?」


 唐突に言われた言葉に思わず動揺を隠せずにいた。


(かわいい...俺が...?いや冗談か...)


 冗談とは分かっていてもあんなかっこよく助けってもらったあとに

 あんなクールな顔でああ言われたら誰だってドキッとしてしまう。


「——そろそろ、休憩行くぞ。」

「......」

「おい、どうした。」

「...っえ?っあっうん!行こう!」


 佐野はボーっとなっていた俺に声をかけ、俺達は一緒に休憩しにいったので

 あった。


 


 

クールメモ

 文化祭の後日、SNSにアップロードされた「北山高校の文化祭のメイド喫茶、マジで超すごい」との

投稿があり、一緒にメイドとの写真も添付されていた。それを見て。SNS上では、大バズリ、

「まじでかわいい」「この子たちの中に男の子もいるの!?」「行ってみたかったな〜」など大反響で以後

全国の文化祭でメイド喫茶が出し物として定番となる風潮になっていった、

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