15話 見つけた
「——アハハ!はぁ〜たくさん遊んだな!」
「うん。」
——あれ...ここは...公園?誰かと一緒に遊んでる...?
小学生程度の男の子が満面の笑みで自分に話しかけている様子が分かる。
「なぁ、俺たちって最高の親友だな!」
「うん!」
たくさん話をした。たくさん遊んだ。そして、しばらくしてこの子の
表情は若干沈み、少し落ち着いて、でも静かに笑って自分に話しかけた。
「——なぁ、俺たち二人はどこへいっても親友だし、ずっと一緒だ。約束だ。」
なんだか曇った顔をしているような気がした。
「どうしたの?何かあったの...——」
聞き返したときにはフッと元の顔に戻りまた元気な笑顔で言った。
「何でもないさ、さぁ帰ろう、——颯志。」
「——...うん、そうだね。——響くん。」
——そうだ。この子の名前は響...。朝田...響...。
「じゃあな。また明日!」
「うん!またね!」
——いやだ...。離れたくない...いなくならないで...
「——ハッ...」
——夢なのか現実なのかよく分からない状態で俺は目が覚めた。
「——夢か...。響...あいつ元気にしてるかな。」
誰もいない静かな家の中。ベッドの上で俺は起き上がった。
今日から高校生。家も新しく借りて一人暮らしだ。
とにかく身支度をして早々に家を出た。
春らしく桜が舞っている道を歩いていた。同じ高校の生徒であろう
他の人たちも楽しそうに登校していた。そんなときに、
「おーい!響ー!」
友人を呼んでいるであろう声が響きわたった。
——響...?まさかとは思うけど...
前方に目をやると一人の男子生徒の姿が見えた。しかし、彼は声の方に
気を取られて横から来る自転車に気づいていなかった。
俺は駆け出して、彼の腕を掴んだ。そして引きずり込んで間一髪で避けた。
俺は腕の中にいる彼の顔を覗き込み声をかけた。
「大丈夫か?」
そのとき見えた顔はあまりにも彼に、朝田響に似ていた。幼い頃に見た
面影をしっかりと残して。
「——!...」
「あ、あの...ありがとう...ございます...」
俺は口を開きかけたが、すぐに閉じた。
——気づいてない...?
「——気をつけて。」
どう声をかけたらいいかも分からずそのまま離れて俺は歩き出してしまった。
——でも、見つけた。向こうは俺のことなんて忘れているかもしれない。
それでもいい。——もう、離さない。逃さないから。約束、したから——
俺はさっきの彼との会話をしっかりとかみしめてまた歩き始めた。
たくさん、話せるといいな、たくさん遊べるといいな、なんて思いながら。
クールメモ
一人の少年がいました。彼にはとても仲の良い友だちがいました。いつも一緒に遊んで楽しく過ごしていました。彼はずっとその子と親友でいて、いつまでも仲良く一緒にいれると思っていました。
ある日、その子は転校してしまいました。どうして...そんな急に...?まだしっかりお別れもいえていないのに。彼はとても悲しみました。いつかまた会える日が来るかな。そう信じて待っていました。
やがて、彼もまた進学するタイミングで引っ越しました。——そう、その子がいる場所へ。
見つけて、また会ってたくさん話たい、その思いで行ったのだとか。二人は会えるのかな。




