13話 緊急事態!!まさかのハプニング!?
俺たち1年3組は文化祭に向けて、放課後残って作業をして着実に準備は
進んでいた。文化祭までの残り期間もいよいよあと1週間というところだ。
今日も最近と同じように準備中というわけである。
全てが順調に進んでいると思っていた。だが、そんなときこそ
上手くいかないものだ。現に今日、予想だにしないトラブルが起きることと
なったのだから。
——今日の放課後——
「——できたー!!ついに!やっとメイド服完成〜!」
衣装係の生徒が歓喜の声を上げて衣装の完成を祝っていた。
見に来た他の生徒たちも、
「おぉ〜すげぇ〜。」
「えー!!超かわいい〜!!すご!」
と、皆褒め称えていた。
「はやく佐野くんがこれを着る姿を見てみたい〜!」
うんうん、と周囲の生徒も頷く。
(ってか俺もこの服着るのか〜。似合わなそうだな〜。)
そうこうしている内に、また新たな生徒がやっていきた。
「うぉ〜!すげ〜できてんじゃん。」
クラスのお調子者の男子生徒の八木だ。
「俺にも着せてよ〜(笑)」
なんて冗談をいっている。
「アハハ、確かにお前似合いそうだな(笑)」
「うける〜着てみてよ〜」
とか周囲の生徒までのってしまった。八木は制服の上からメイド服をかぶり
ポーズを取ったり、動いてみせたりした。
「ギャハハ。まじでおもろいんだけど。」
クラスの雰囲気が笑いにつつまれて、騒がしくなった。
その瞬間起きてしまったのだ。
ビリッ
「え?」
その音を聞き、衣装係の生徒は顔から血が引くように真っ青な顔をした。
なんとメイド服のサイズが合わなかったみたいで破けてしまったのだ。
すぐに声を荒げて、
「はぁ!?ちょっと何してんの!破けてんじゃん!着る人用に採寸してんだから
無理矢理着たら破けるに決まってんじゃん!」
と、八木を責め立てた。すこし驚いた八木も負けじと、
「いや、そんな言われてもお前だって止めなかったじゃんか。
周りのやつだって、やれっていってたし...」
反論して、もめ合いになり口論していた。
「あー!動かないで!」
「うわぁ...もっとビリビリに破けたじゃん...」
「はぁー!?ほんとに何してんの!?っとに最悪!!」
どんどん口喧嘩はヒートアップし、ついには取っ組み合いの大喧嘩にまで
発展してしまった。収集のつけようのない事態になった。さらには、
ドンッ
と音がなるように八木が突き飛ばされ、勢いよく、近くに置いてあった
制作中のメイド喫茶の看板にぶつかってしまった。最悪の音とともに。
バキッ
その音を聞いた俺は、もう勘弁してくれ...と心の底から思った。
しかし、その願いもむなしく、看板はきれいに折れて壊れてしまったのだ。
「うわぁー!看板まで壊れたー!」
「もうメチャクチャだ!」
「どうすんの!?」
教室内は軽くパニック状態になっていた。そのとき勢いよく教室のドアが
開いた。
「どうしたんだ!?」
どうやらその騒ぎを聞きつけて空き教室の方で作業していた佐野も
駆けつけてきたらしい。俺は何が起こったか全く状況をつかめていない
佐野に一連の騒ぎのことを説明した。すると佐野は、
「——そうか。とりあえずお前らは一旦休憩して頭を冷やせ。
そして、他の奴らは片付けを手伝ってくれ。」
驚きも呆れもせず、淡々とテキパキ指示を出していた。
(——こういうときに、冷静に判断ができるんだな...。すごいな。)
「あとそれと、破けた服と壊れた看板は修復は難しいのか?」
「——うん...。ここまで破けちゃってると作り直した方がはやいかも。
でも、材料は人数分に合わせてたら足りないかも...ごめん...。」
「看板の方も結構損傷がひどくて...かなりまずいかも。」
改めて看板や服に目を向けてみるとひどい有様だ。
文化祭までにあと1週間程度しかないというのにどうすればいいのだろう。
「——そうか。分かった。じゃあ、他の人は別の作業に取り掛かって
どきることをしよう。あとは材料集めだな。よし。」
そう言って佐野は表情を変えずに次の行動までしっかり計画を立てた。
「それじゃ、朝田。」
「え?何?」
急にくるりと振り返って俺の方を見て名指しした。
「材料集めに買い出しいくから手伝ってくれ。買うものが多くて大変なんだ。」
そう言うやいなや、俺の手を引っ張ってスタスタと歩き始めていった。
(別にいいけど...いや、なぜ俺なの!?)
俺たちは看板や衣装をつくるのに必要な材料を集めに行くこととなったのだ。
始めて二人きりで町中を歩くことになり、それもまた大変なこととなるとは
まだ俺は知る由もない。
クールメモ
〜クラスメイト紹介〜
1年3組の愉快な仲間たちを一部紹介します。
衣装係担当 片山 日向子/かたやま ひなこ さん
手芸部所属で裁縫は大の得意!衣装デザインもお手の物!
お調子者男子 八木 瑛太/やぎ えいた
普段はたくさん面白いことをいって楽しい雰囲気にしてくれるムードメーカー。
看板担当 坂口 悠斗/さかぐち ゆうと
真面目でしっかり物事に取り組める。集中力がとてもすごい!




