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第三話 オ日様ニ嫉憎ト背後霊ノ報復(終)

大海さんと陽菜さんと樋上さんの三人に起きた愛と嫉妬が渦巻くドロ沼恋愛事情騒動復讐劇から一週間が経過した。

空は雲に覆われて雨が降りしきる外では景色が薄暗く見えていた。

今日は土曜日だが午前中に部活があってその帰りに実家の団子屋から手土産を持ってサエグサさんがいる現世交番所うつしよこうばんじょに来た。

業務部屋の机に居座っているサエグサさんは俺が手土産にしてあげた草団子をパクパクと食べている。

俺は外から聞こえる雨の音を澄ましながら彼が淹れてくれたお茶を飲んで一服していた。

「あれから響矢くんの方はどうだ?」

大海さんの様子を伺うサエグサさん。

「特に何も変わらず。いつも通り元気に仕事をしているみたいですよ」

学校で同じ職場で働いているスズメさんから最近の彼の様子を教えてくれた。

「そうか。それならよかった」

話を聞いて一安心したサエグサさん。どうやらその後の彼の事を心配していたようだ。

「樋上さんの方はどうなった?」

「陽菜さんの一件後、大海さんは樋上さんの連絡先を消したそうです。彼女のインスタもXもブロックして完全に連絡できないようしたみたいで。スズメさんから聞きました」

「なるほど。SNSだとメールやLINEを使わなくてもDMで簡単に連絡を取り合えるからな。そうだろ?」

「はい。」

「でもまあ。あの一件で樋上さんは相当参っただろうね。逆に病んだりしなきゃいいけど。あの子。落ち込みやすそうだしメンタルも弱そうに見えたからな」

そう言って餡子を乗せた草団子を串で刺して口に運んだ。

俺も同じ事を思っていた。実際、樋上さんに会った時は何だか打たれ弱そうな暗さを感じるネガティブ人間っぽいなと思っていたから。

ああいう傷つきやすい人は立ち直るのにかなり時間がいるかもしれないな。

そう思うとなんか心配な気もする。

「そういえば。陽菜さんはどうなったんですか?」

俺は陽菜さんのその後について訊いた。

「ああ。見送ったよ。幽霊電車を使ってあの世へ行った」

「大海さんも見送ったんですか?」

「んー。そうだな。君たちが帰った後、極楽寺で彼女が幽霊電車に乗るところまで一緒に見送ったな。まあ、最後の最後だけ霊感を持たなかった響矢くんが一瞬だけ陽菜ちゃんの霊が見えたようでちゃんと別れられたかな」

そうか。大海さん。最後に幽霊姿の陽菜さんを見る事ができたんだ。

「それとジョー」

サエグサさんは餡子を乗せた草団子を串で刺しながら言った。

「草団子。あんがと。これうめぇーよ。で、今度は何用で来たんだ?」

どうやら俺が現世交番所うつしよこうばんじょに来た目的は何なのか気づいていたみたいだ。

それはそうだろう。霊関係の話がなきゃここには来ないだろうから。

それに二度とここには来るなと言われたが霊感が目覚め幽霊を見るようになったら来ないわけにもいかないだろう。

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