【二章完】追放少女にざまあさせてはいけない！

「駆け出し冒険者クリス・アーモンドは無能過ぎてパーティーから追放された。しかしクリスは本人も知らない隠しクラス「魔王の卵」を持っているのだ。極近い未来、人生に絶望したクリスは魔王として覚醒するだろう。元仲間を嬲り殺し、ついでに街をグチャグチャに破壊して、世界に死をばらまいてやる……」

　――そうはさせないッ！
　これはクリスによるざまあの物語ではないのだ！

　僕はクリスの師匠になった。彼女を立派に育てなければならない。しかしクリスは些細なことでも闇落ちに近づいてしまい、さらには神にも愛されない体質で、困難不幸災厄を次々引き寄せてしまう。

　追放した元仲間！？　やめろクリスを刺激するな！

　勇者に勘付かれてる......、クリス一旦その炎をしまってくれる？

　え？　心の中で何かが囁いてくる？　ダメダメ無視するんだ。

　ああ、僕にどうしろってんだ！　神よ、我を助けやがれ！

　ざまあしたい(？)闇落ち秒読みの弟子と、ざまあさせてはいけない師匠。さらにはクセある美女美少女たち。僕は弟子の覚醒を避けつつ、一人前の冒険者にすることができるのか？　これは僕の「彼女にざまあさせないための物語」である。

※最強主人公が振り回される系のコメディです