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不幸のかけら
僕は幸せだ
両手を掲げて口にして見せる
言葉にする
何も埋まらない
こみあげてくる想いなどなにもない
恵まれていたはずの この目は
空の色さえ見つけられない
もう遅いねって 笑いかけた君は
哀しげに揺れる瞳で 僕の手をほどいた
二人の歩む道が枝分かれしてしまえば
僕と君は違ってしまうのか
だとしたら
落ちないで
落ちないで
僕に雑な言葉をかけないで
でも
寂しいのは嫌だ
僕に残されたのは真っ黒なこの部屋だけ
できることなら 君にも 僕の世界を見つめてほしかった
僕のこの人生のむなしさを 枯れはてた他人への希望を
慰めることもなく 言葉で繕うこともせず
ただ 僕という人間の心を 感じてほしかった
またどこかで 君と僕出会えたら
君は哀しげな瞳と声色で 僕の心の上側だけなぞるだろう




