表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/25

11 ䷴  ⇋ 徘徊 ⇌

 翌日、ボクが女の子になってからもう3日目。朝起きても特に変化はなかった。


 今日もこの世界線についての検索をする予定がある。


 今日百合聖(ゆりせ)先輩は一日中忙しいようだから、昼休みの時一緒に昼ご飯を食べながら少しお喋りしただけ。先輩はいつものようにボクの話に付き合ってくれて色々情報を交換したけどまだ特に進歩がない。


 そして放課後になってボクはまた一人ぼっちになった。でも今日は実はちょっと行って調べたい場所があるよ。それはボクが以前通っていた中学校だ。


 やっとここまで来てみたね。


 「懐かしいね」


 実は母さんから聞いたけど、あの実頼(みらい)という男の子はボクと同じ中学校だった。つまり今彼は今でもまだこの学校に通っている。ボクとし2つ下なのだから今は中学3年生のようだ。


 ボクが高校生になってからもうすぐ2年経ったね。中学卒業してから一度もここに戻ったことはない。特に用があるわけじゃないから。


 今放課後の時間だからかなり(にぎ)やかで生徒も先生もいっぱい歩いている。ここではない高校の制服を着ているボクはここでは目立っているようだね。


 「君、涼原(すずはら)くん?」

 「はい。あ、淡路(あわじ)先生……」


 ボクの名字を呼んだのは中年男子教師。彼はボクの中学3年生の時の担任先生。


 「久しぶりだね」

 「はい、そうですね。久しぶりです」


 やっぱり先生は今のボクを見ても何か変だと思わない。まるで最初からボクは女子中学生としてこの学校に通っていたような。


 「何をしに来たのか?」

 「ボクはえーと……、後輩に会いに来たんです」


 一応あの子はボクの後輩でもあるはずだよね? ボクが中学3年だった頃に彼は中学1年生だったはず。といえことは、1年くらいボクはいつも彼と一緒に学校で会えていた。


 実はあの子と一緒に登校したこともあるらしい。まあ、これは母さんから聞いたことだけで、ボク自身の記憶にはないけどね。


 ボクは先生と別れた後もうちょっとしばらく彷徨(うろつ)いて学校のあっちこっちで歩き回ってみたら……。


 「遙奈(はるな)(ねえ)? なんでここに?」


 やっと実頼(みらい)くんを見つけた。


 「君と話したいことがあるから。さっきからずっと探してたぞ」

 「探してた? ラインで連絡してきたらいいのに」

 「あ、その手があったか」


 ボクはこの子の番号を登録しておいたのか? 幼馴染だから当然だよね。そういえばまだよくラインを調べてみていなかった。これは盲点だった。


 「で、用は告白の件なのか?」


 やっぱりそう思われるよね。一昨日(おととい)別れた時にはこの話をしておいたから。


 「そんなことにも関係があるけど、実はボクがもっと色々ちゃんと君に話さなければならないことがある」

 「わかった。俺も今特に用事がないからすぐ家に帰るつもりだよ。なら俺の家に一緒に行かないか」

 「いきなり、家に誘うなんて」


 一応こっちのボクは女の子なのに、こんな簡単に家に誘うとは……。


 「昔よく俺の家に来てたじゃん。最近来なくなったね。やっぱり今はもう嫌なのか」


 あ、そういえば昔この子がよくうちに来ていたって、母さんから聞いた。そしてボクの方もこの子の家によく行ったみたいだね。やっぱり昔からこの子とあんなに仲がよかったよね。


 別に問題ないと思う。それにこの子の家に行ったら、もしかしたらそのついでに何か手がかりを見つめるかもしれない。


 「嫌なんかじゃないよ。わかった。じゃ歩きながら話そう」

 「うん」


 こうやって話し合いをするために、ボクは実頼くんの家に行くことになった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ