魔王軍を追放された死霊術師は聖なる都にて天職を見つける
「……ブライス・グベルナー。お前を四天王から追放する!」
そう叫んだのは現在の四天王筆頭、《破壊の大魔》ことノルズ・クライであった。
その巨体で持ってありとあらゆる者を破壊してきた彼の声は、広い会議室の中に大音声となって響き渡り、ビリビリと肌にまで伝わってくるほどだ。
……もう少し静かにしてほしいものだ。
そう思わずにはいられない。
また、彼の両脇の席には《魅惑の妖王》ことリーン・タイスと、《滅ぼし邪賢》ことジストラス・マダーがいる。
どちらもニヤニヤとした表情で儂のことを見つめている。
明らかに、彼ら三人は結託して儂のことを追い出しにかかっているのだろうとそれだけで分かる。
さて、問題はここからどうするかだが……正直なことを言うなら、結論は決まっている。
儂は彼らに向かって答える。
「……仕方があるまい。四天王は合議制。四人いるうち、三人がそう言うことで納得しているのであれば、儂としては文句はないよ。さらばだ」
そう言った儂に、三人は意外そうな顔をした。
縋り付くとでも思ったのだろうか?
まぁ、普通に考えればそうなると予想するのもおかしくはない。
四天王と言えば、魔王軍の中でも、魔王陛下を除いて最上位。
魔族におけるあらゆる権力の、ほぼ頂点に位置する。
それを捨てろと言われて素直に捨てる者などいるはずがない……それが彼らの常識なのだろう。
けれど儂は違う。
四天王の地位に、大した未練などないのだ。
儂が踵を返し、会議室の扉に手をかけると、
「ちょ、ちょっと待て! いいのか? 何も言わんのか!?」
慌てたようにジストラスが尋ねてくるが、儂は振り返って一言、
「特に何もない。今日中に荷物をまとめて出ていくゆえ、もう構うでない」
そう言って扉を閉めたのだった。
*****
「……はぁ、スッキリしたのう」
それから五分後には、儂はすでに魔国を出ていた。
これで古い時代から生き続けている死霊術師だ。
魔術に関してはほぼ全てマスターしていると言ってよく、その中には転移系魔術も含まれている。
人には使えぬほど多量の魔力を必要とするが、儂にとっては大したものでもない。
まぁ、かといって魔族がみんな使えるわけでもないのだが。
儂以外には、魔王陛下が使うくらいで、後はほぼ失伝している。
ジストラスなんかは賢者を名乗っている割に使えないらしいからな。
全ての魔術を身につけた、とか言っているが、魔力量を見れば分かる。
あれでは上位魔術はほぼ使用不可能だと。
ちなみになぜ今日中に、などと言ったのにこんなに早く出たかと言えば、そうしなければ四天王の他の三人が余計なことをすることが確実だからだ。
あやつらの妙な慌て方からして、正直儂が本当に追放に同意するとは思ってなかった。
にもかかわらず追放すると言ったのかといえば、おそらく追放しないことを条件に儂から何か引き出したかったのだろう。
具体的に言うなら、ノルズは他人を従え、奴隷化することが可能な魔道具を。
ジストラスは、儂のみが身につけている数多くの魔術の使い方や魔術書、触媒などを。
リーンは儂が古くから貯め込んだ金銀財宝や魔石の類を。
しかしさっくり断られてしまって焦ったわけだ。
そして、こんなに早く出てそれらのものは持ってこられたかというと、持ってこられた。
全て最初から四天王に与えられた自室になど置かず、《空間庫》内部に入れている。
ただ、奴らの勘違いを誘うために一見豪華なガラクタを執務室にはたくさん置いており、今頃奴らはそれらを漁っているだろう。
気づいた頃には儂はもう追えない位置にいる。
無駄に頑張るといい。
思えば、魔族の質も落ちた。
それも当然と言えば当然で、三百年前に起きた戦争以来、魔族は見捨てられた大陸に隠れ住むように生きている。
たまに遠出して、魔物たちを操るなどして人に少しばかりの被害を与えるくらいが関の山だ。
あの頃は良かった。
皆強く、賢く、そして何より誇り高く……その中にあって儂は全てが足りておらず、当時、四天王のうちでも最強だった暗黒騎士を、まるで今日の儂に対するように扱って追い出してしまい、そこから魔族の敗北の流れができてしまった。
あの時のことを深く悔い、やり直せないものかと頑張ってきたが……結局、無理だった。
儂に出来たのは、せいぜい、人との共存に前向きになった魔族の一部をそちらへ裏で橋渡しして、絶滅を避ける手を打ったくらいか。
逆に戦い続ける気概を持った者たちには力が貯まるまで根気強く我慢するように指導していたのだが……若い者たちには耐えられることではなかったらしい。
魔族の寿命はこの世界で生きる種族でも相当に長い方で、気長に計画を立てた方がずっと成功しやすいのだが、百歳にもなっていない者たちにそれを実感させることは儂にも出来なかった。
魔王陛下は三百年前に敗北して以来、もはや人族と争う気もなくされているため、四天王の動きに口を出さない。
その裏で、儂と共に協力しつつ、魔族の生存をかけて人族との共存を目指されていたが……流石に今日のことは予想外だったのだろう。
知っておられたら、流石に止めに来られたと思う。
ただ、普段からこう言うことになる可能性も考えてはおられたようで、常日頃から、そうなったらもう魔族は見捨てて構わない、と言っておられた。
儂としてもそろそろ潮時だと思っていたし、もう義理は果たした、と思う。
だから、もういいのだ……。
「……まぁ、全て言い訳だがのう。わしも流石に疲れたし、好きに生きさせてもらいたい。それが本音じゃ」
そう、魔王軍でいることに飽きた。
出来ることも全てやったのだからもういいだろう。
それが一番の理由だ。
そして、儂にはこの三百年で、やってみたいことが出来たのだ。
これから、儂はそのために人族の国家に行く……。
*****
「……聖女さま、どうかお願いします」
「何度頼まれても無理です」
「そう言われましても……非常に危険な状況なのです。どうか……」
「無理なものは無理です!」
「わがままをおっしゃらないでくださいませ。聖女さまのお仕事ではありませんか……」
「……嫌がらせで言っているんですかね? 私、今どこにいるかご存知ですよね? ここ、アルズ公爵領ですよ? それで……なんですって?」
「ミュドラ男爵領においてアンデッドの大量発生が確認されたので、三時間以内に急行していただきたいと」
目の前の男が言っている台詞に、聖黒教会の大聖女ファラ・ヘイルはその立場にあるまじきことに、グーを作って殴りたくなった。
なぜと言って、アルズ公爵領からミュドラ男爵領まではどんなに急いだところで三日はかかる。
それなのにこんなことを言っているのだから、当然だろう。
もちろんこの男もそれが分からないほどに愚かではない。
なのになぜこんな愚かな話をしているかといえば、責任の話だ。
大聖女、という存在には役割がある。
この世にあまねく邪悪を浄化する役割が。
もちろん、それが出来る存在には各地の地方教会にいる聖女たちも含まれるが、しかし余りにも規模が大きくなるとそれも難しくなる。
大聖女は一人で聖女百人分に値する浄化能力を有する、当代一の聖女に与えられる称号であり、だからこそ権力もまた大きい。
その座を狙っている者は多く、誰もが常に引き摺り下ろそうと画策している。
目の前の男はまさにそのためにこんなことを言っている。
確か、第二王女に聖女の力が発現した、と聞いた。
この男は第二王女派の息がかかっていることは聞いたことがあり、つまりはそう言うことなのだろう。
ファラとしてはそんなバカみたいな権力争いに自分を巻き込むなと思う。
仮に第二王女がこの地位についたとして、ファラと同じことができるかと言うと、無理だ。
大聖女はただの才能のみでなく、不断の努力という名の、身体と魔力の酷使によって出来上がる鍛え上げられた刀剣のような存在である。
昨日今日目覚めたような小娘にどうこうできる仕事ではない。
実際、ファラも五歳で聖女として目覚めてから二十年続けてやっとこの地位についた。
それからまだ三年程度しか経っていないのだから。
ちなみに前代大聖女は過労で身罷った。
自分がそうなる日も遠くなさそうだという気がしている。
「……ともかく、物理的に無理なものは無理ですから、とりあえず魔通信で数日持ち堪えるように連絡しておいてください。私も可能な限り早く向かうとも」
「……これは責任問題になりますよ」
「どうしてそうなるのか、私は貴方の頭を疑いますが……まぁ、好きになさい。私はすべきことをするだけです」
そこでファラは言葉を切って、不快な男との会話をやめたのだった。
*****
「……おぉ、これはどう言うことじゃ?」
見捨てられた大陸を出て、海龍に話をして海を渡り、人の住む大陸に渡った儂、ブライスである。
おそらくは辺境の小さな町で人族のふりをして過ごしていたら、急に街の人々が慌てだしたのだ。
宿の主人が儂の言葉に言う。
「なんだ、あんた! 聞いてないのか!?」
「……何か起こったのか?」
「アンデッドだよ! 大森林の方から数万単位でやってきてるらしい! この街もやべえって話でな……」
アンデッド。
それは、死体が魔力に励起されて起き上がる魔物の一種である。
死んだ生き物みんながそうなるわけではないが、恨みを抱いている者、未練を強く持った死体はそうなる可能性が高いと言われる。
儂は死霊術師なので人工的に作ることも可能だが。
「ほう、それはまた賑やかな話じゃの」
「賑やかって、あんた……まぁ、そんなわけだから、いよいよやばくなったら俺も街から避難しようと思う。悪いが」
宿を放棄して、と言うことだろう。
それは困る、と思って、
「そのアンデッドたち、どうにか出来んのか?」
「幸い、街には聖女さまがいるからしばらくはなんとか……でも数万となるとな。大聖女さまじゃなけりゃあよ。多分、教会の方で呼んでるだろうが、あの方は確か、少し離れたところにいらっしゃると何日か前に聞いたし、すぐにはきてくれねぇだろ」
「ふむ……」
大聖女、か。
三百年前の戦いでは、勇者たちと一緒になって戦っていた者たちの一人だったが、今ではそういう役割からは少し外れたのかな。
主にアンデッドの掃除を担当していると言うことか。
そもそも、浄化系の力に長けた女性術師をそういうことが多かったから、役割としては適任だろうが。
しかし数日か……。
かつての大聖女の力量なら数万とはいえ、アンデッドしかいないのであれば一発だろうが……。
「普通の聖女では倒しきれんのか?」
「大聖女さまの数百分の一の力しかねぇって言うからな。それでも、百匹くらいならなんとでも出来るくらいすげぇ人たちなんだが……」
数万の前では焼け石に水、か。
「……ふむ、わかった。仕方がないのう」
「わかってくれて嬉しいぜ」
宿の亭主は儂がいざとなったら彼が逃げることに同意した、と思ったのだろうが、そう言うわけではなかった。
*****
ワラワラと、森の奥から大量のアンデッドが近づいてくるのが分かる。
確かにあの亭主の情報は嘘ではなかったようだとそれでわかった。
街の出入り口近くには数人の聖なる力に満ちた女性が物々しい格好で待機していたが、彼女たちこそが聖女だったのだろう。
儂はそれらから身を隠して、単身、森の前まで来ていた。
その目的は簡単で、こいつらの消滅、浄化のためであった。
「……まぁ、昔じゃったら我が配下に、とも考えたじゃろうが……今の儂にはどうでもいい話じゃ。お主らもこれ以上、起きてはいたくまい。さっさと済まそう……光よ満ちよ、土塊から蘇りし者たちよ、静かなる眠りの中へと戻れ……《不死還土》」
儂がそう唱えると同時に、地面から数万のアンデッドの軍勢を覆う光の渦が発生する。
光はアンデッドたち全てを数秒のうちに飲み込み、そして塵へと還していった。
聖属性魔術の一つで、アンデッドに対して強力な効果を発揮する初級魔術だ。
使い方に長ければ、数万だろうがなんとでもなる……は言い過ぎかもしれないが、流石に長年魔術士として生きて来たわけではない。
これくらいなら、詠唱をのんびり出来る状況もあってさほど大変なことでもなかった。
加えて、死霊術師である儂がこれを使えることを人間はおかしいと思うかもしれない。
死霊術は暗黒の魔術であり、神聖魔術とは相容れないものだからと。
実際には全く異なる。
どちらも生命という神秘に触れる魔術であり、死霊術師としてあるレベルを超えるには両方使える必要がある。
長年死霊術師として活動してきた儂に使えないはずがなかった。
討ち漏らしがないことを確認した儂は、再度、闇に紛れて街へと戻っていく。
街に入る前に、街の出入り口に構えている聖女たちの表情が目に入ったが、全員の顔が唖然としていたのが少し面白かった。
おそらく、浄化の光が目に入ったのだろう。
あれだけの規模だ。
隠しようがなかったし、まぁ、しっかり浄化されたと伝えておくためにも見せたほうがいいと考えてあえて隠さなかったところもある。
「……これで宿は逃げんな」
そう呟きつつ、儂は宿の自室に戻ったのだった。
*****
「……これはどういうことかしら?」
大聖女ファラが数日の強行軍でミュドラ男爵領にたどり着くと、そこには平和な街並みがあるだけで、アンデッドの脅威など全くない様子だった。
それを見てファラ以上に驚いていたのは、ファラに責任を押し付けて排斥しようとしていた官吏の男である。
「馬鹿な……確かにアンデッドは発生したのに! いや、私が発生させたはずが……!!」
余りにも想像を超えていたのだろうか。
言葉を滑らせてそんなことを呟いた瞬間をファラは聞き逃さなかった。
「ちょっとお待ちなさい。発生させた、とは聞き捨てならないわね。どう言うこと?」
「え? いや、それは……何かの聞き間違いでは?」
惚けようとした男にファラは眉を顰めるが、そこに、
「……ふむ、そこな男。呪霊具の匂いがするのう」
と、後ろから声がかかった。
そこにはどことなく凄みを感じる老人が立っていて、官吏の男を鋭い目で見つめていた。
「な、なんだ、あんた……」
「それはこっちの台詞じゃ。お主が懐に持っておる呪霊具は、百年ほど前に教会が全て回収、破壊したはず。なぜそれを持っておる? しかも発動した気配がする……」
それを聞いたファラは、周りの神聖騎士たちに目配せをした。
彼らは官吏の男とは異なり、ファラの忠実なる部下だ。
すぐに意図を理解して、官吏の男を確保し、そしてその懐を弄る。
するとそこには布で包まれた奇妙な形をした金属具が入っていて、邪悪な気配を発していた。
布が邪気を吸収しているようで、わかりにくかったが、布を解くと立ち上る邪気に危険を感じ、ファラは、
「……《浄化》!」
と即座に神聖魔術を放つ。
光が邪気を払うが、しかし、その直後から、再度邪気が漏れ出してくる……相当に危険な道具のようだった。
「くっ……」
官吏の男は睨みつけるように老人とファラを見ていたが、ファラはそれを気にせずに老人に尋ねる。
「これをご存知なのですか?」
「うむ。古い書物で見た。それに近いものを知っておるでな。それより遥かに強力なのは見ての通りのようじゃが」
「私は存じ上げないのですが、これはどういう……?」
「呪霊具、と言うもので、いわゆるアンデッドを人工的に作り出す魔具じゃ。これならば、死体さえあれば一度に数万は作り出せるじゃろうな。まぁ、数が数じゃから、使ってから数ヶ月は効果が見えんじゃろうが……」
「数ヶ月……なるほど。そう言うことですか」
ファラはそれで察した。
官吏の男に向き直り言う。
「貴方はこれを使って、今回のアンデッドを大量発生させ、ここを襲わせたのですね? この領地の大森林には三百年前に大きな戦いがあり、大量の死体が眠っていることも知って」
「……そうだ。お前がいなければ第二王女様が大聖女に……!」
そう言って襲いかかってこようとしたが、すぐに神聖騎士の一人に制され、そのままどこかに連れていかれる。
「あの者はどうなる?」
老人が尋ねたので、ファラは答えた。
「裁判の後、死刑になるでしょうね。背教者としても強く裁かれるでしょう」
「そうか……それで、この呪霊具はどうする?」
「持ち帰ろうと思います。教会の方で処分した、のですよね? 私はその方法を知らないのですが、大聖庁に行けば処分方法が記載してある書物があるはずと思いますので、そちらで処分をと」
「うむ、それはいいのじゃが、おそらくお主らでは持てぬぞ?」
「え?」
「触れればその瞬間、アンデッドになる。あの男も自分では気づいておらぬようじゃが、アンデッドと化しておる」
「まさか……」
言われて振り返り、改めて官吏の男を見つめてみると、確かに体の深いところにアンデッドの気配があった。
「……本当のようです。でもそれならどうやってこれを持ち帰れば……」
悩んだファラに、老人が笑う。
「少し、いい案があるんじゃがの?」
「はて……聞きましょう」
「儂を、雇わぬか?」
「貴方をですか?」
「こう見えて、呪霊具には詳しい。また、持ってもアンデッド化せぬ術を身につけておる」
「しかし……その、こう言っては申し訳ないのですが、信用が」
出来ない。
初めてあった人物だ。
そんな相手に、こんな危険なものを預けるのはどうかとファラは思ったのだ。
けれど老人は、そんなファラに対して驚くべきものを見せた。
その手のひらに、強大な魔力を集約させ、そしてそれを神聖魔術に変えて、空に放って見せたのだ。
ハラハラと雪のように降り注ぐ光に、街の人々がほう、と魅了される中、ファラだけが、そのおそろしいほどの力に震えていた。
神だ、と思った。
後ろからは、官吏の男の苦しむ声も聞こえる。
アンデッドには当然辛かろう。しかし、消滅はしていないあたり、調整しているのも理解できた。
これだけの規模の神聖魔術を、そこまで繊細に扱える人間など、自分を含めてもいないと知っているファラは、目の前の老人が自分の想像を遥かに超える聖なる何かだと思った。
「……これでも信用できないかの?」
老人の言葉にファラは首を横に振った。
少しの神聖魔術であれば、魔術の心得があれば使用できる。
しかし規模が大きくなり、強力なものになればなるほど、信仰心や、神々、魂への理解が深くなければ使えない。
つまり、それは神に近いと言うことだ。
この老人はファラよりも神に近い。
そう言うことだ。
だから……。
「いいえ、信用いたしましょう。あなた様を、私の権限で雇用しようと思います」
ファラはそう言ったのだった。
その日、世界最強の死霊術師が、世界最大の宗教組織、聖黒教に雇用された。
彼は実のところ魔族で、しかも四天王だということは数百年後、教皇となった彼自身の口から語られることになるのだが、この時はそのことを誰も知らなかった。
なぜ魔族が聖黒教に入ったのか。
そう尋ねられた彼は、のちにこう答えた。
「……儂らを目の仇にしておった教皇に儂がなったら面白いかと思ってのう」
冗談まじりにそう言った彼であるが、実際には魔族が他の種族とも共存していけることを、教会内部から知らしめ、結果として教皇にまで上り詰めることが出来たことは今日ではよく知られた事実である。
これにて終わりです。特に連載化とかの予定もするつもりもないです。
もし少しでも面白かった、と思われましたら、評価してくれるとありがたいです。
出来れば☆☆☆☆☆→★★★★★にしていだたけるとありがたいなと。
ブクマ・感想もお待ちしています。
どうぞよろしくお願いします。