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※セラフィ視点
―――私達はディア達に見送られて大迷宮に入った。
大迷宮は普段は王国兵によって見張られ、封印も施されているが承認を得ていたので入り口は開かれていた。
見送りはアレイスター王子、ディア、イーリスさん、ミレイナの4人。マイアさんも来るかなと思っていたけどミレイナ曰く回さなくてはならない仕事の都合で泣く泣く断念したとか。ミレイナも友人に押し付けた心苦しさがあるそうで、終わったらすぐ駆けつけると言っていた。
ディアの見送りは熱が入っていた気がするけど気にしない。
………で、入り口の扉をくぐるとそこには何もない広間と下へ下る階段のみ。クリスが先頭で、あとからミラ、カガリ、私、ジークの順に進むことになった。
中は洞窟のような薄暗さとあちこちに生えている光る苔のおかげでランタンがなくても問題はない感じ。
「最初のほうは特に危険はない。このまま―――」
そういいかけたとき、影から黒い猿のような魔物が現れ―――即座にジークの投げた黒剣に貫かれ絶命した。
「貸しにしとくぞ」
「………助かったよ」
今のははっきり言って危なかった。クリスはここに一度潜っていることもあってここは比較的安全な階層であるという話もあった。だからこそ、油断していた。
「死なせないようにはするが油断はするなよ。これは他のやつ等にも言えることだ。
ここは安全だからっていうのはお前達が勝手に決めつけたことであって事実は違う可能性もある」
全員無言で頷き、そのまま先へ進む。迷路を進んでいるような感覚で、ゴールらしき場所は入り口と同じように階段があってそれを下ると前の階と似たような空間が広がっている。
―――それから降っていきちょうど10階層へ到達した辺りでジークより待ったがかかる。
「ここは中ボスがいるエリアだったな。4人で挑んでもらう予定だからちょっと休むぞ」
ジークはそういって宝物庫から椅子を取り出して座ると次に水筒と取り出して口をつける。
「分かったわ。私達も、ちょうど腕試しが必要だものね」
カガリも同意。ジークにお願いして宝物庫から取り出した水筒を受け取り人数分用意されている椅子に座る。
「メイドやアネモネの相手ばかりじゃどれだけ実力がついたか実感沸かないだろ。道中の魔物は不意打ちさえきをつければ大したことないしな」
「そうそう。これはいい機会よ。私も腕をあげたところ、見せてあげるから」
気合十分といった感じのカガリをみてジークはそうだなと言って楽しそうに笑う。
つられて私達も椅子に座って談笑タイムに突入。
「道中見ている限りは特に気にする点はない。中ボスがどんなもんかにもよるが4人じゃなくて2人ずつに分かれてやってみるか?ってレベルだ」
「あ、それいいかも。クリスさんとミラベル。私とセラフィでそれぞれ挑んでみるとか」
「え、クリスあげるからカガリちゃんが欲しいわ」
言外に要らないと即答するミラ。今までフォローにばかり回っていたツケだと言わんばかりの辛辣さである。
「えっと………ごめん、ミラ。僕が悪かったから組んで欲しい」
捨てられた子犬みたいな目でミラを見つめ、そして頭まで下げる。流石に良心が咎めるのか、もしくは最初から冗談だったのか。とりあえず私とカガリ、ミラとクリスでこの階と次の階は挑戦することとなった―――




