5-13
※セラフィ視点
―――それから私達はひたすら訓練に励んだ。新たな武器の使い方、その他ちょっとした魔具も貰ったたりもして、その使い方を覚えたり。連携について学んだり、本当にやることは多かった。
そして今日は最終試験。
カガリ、ミラ、クリスは既に試験終了。そして私も先ほど終わったところである。
「さて、今日までお疲れ様だな。全員一応ではあるが合格だ。この短期間でだいぶ上達している」
一応、というのは引っかかってしまうものの合格がでてひとまず胸をなでおろす。
「さて、じゃあこれから準備期間に入るわけだが、食糧はこっちで十分な量を用意するから心配するな。衣服や装備についてはそうだな………必要に応じて貸してやるがそれ以外にも自分で持って行きたいものがあれば言ってくれ。俺の宝物庫に入れる。
それ以外は自分で持っていくなり自由だ。大迷宮は3日以内に踏破するからそのつもりでいるように。ここまで何か質問はあるか?」
基本的なものはジークが用意してくれるなら私が用意するのは………下着類と、衣服はジークに渡すとして、自分で使う魔具など小道具くらいだろうか。
「ないようだな。じゃあ解散」
そういって手を叩くとこのタイミングでミラが手を挙げる。
「因みにジークのこのあとの予定はなんですかー」
「玩具作りだな。万が一に備えて色々と仕込みはあったほうがいいだろう」
そういって軽く笑みを浮かべるがミラはなぜかジーっと見ている。ジト目である。可笑しなことはいってないはずなのに。
「レインディア様のところ行くんでしょ?」
ジト目のままボソッと、そう呟いた。
「ん?教えたっけ?何で知ってるんだ?」
不思議そうに尋ねるジーク。理由はなんとなくわかる気がするけどそれより事実であることが今は問題。あの王女様ガチですね。全身全霊を持って落としにいってます。
「女の子の勘よ。それより何用なの?相手は王女様なんだからそんなにベタベタしたら不味いと思わない?」
黒いオーラを纏うミラがジークを問い詰める。確かに、王様公認とはいえ一国の王女が異世界の男性、しかも魔王に猛アタック中というのはよろしくないかもしれない。けど、それを除いてもミラの黒いオーラが怖い。うーん、闇。
「えっと、ミラ?とりあえずその話は後にしよ?それにジークだって重要な話があるかもしれないじゃない?」
「そうだぞミラベル。レインディアは色々と情報提供もしてくれるから助かってる。見返りに色々してやってるし、特に貸し借りもない。持つべきものは友だよ」
「へ~~~~~。友達ね~~~~~?」
とりあえずミラを宥めるところから始めないと前に進めない状態だった。




