5-12
※カガリ視点
―――その日から訓練はより本格化した。
セラフィやミラベルは魔法について特化した内容に。私やクリスさんは近接戦闘に特化した内容である。
私やクリスさんの主な相手は戦闘型メイド。セラフィやミラベルも相手は戦闘型メイドであるもののガーベラさんが監督をしている状態となっている。ジークは適当に4人の状況をみて適宜指導してくれる。
それぞれ集中してもらうためか、訓練は別々の部屋で行われている。………そして今はジークと訓練の最中。
「ふっ!」
「ほら、目測が甘い。射程の管理もしないと空振りで体力減るぞ」
ジークは私の攻撃を軽く避けると距離を取って黒剣複数を投げてくる。目で追える速度ではあるものの一部の黒剣は回避が困難であるため斬撃を飛ばして弾く。だいぶ武器の使い方も慣れてきたため無駄な魔力も使わず最小限に抑えられている。
「必要な分だけ流したな。訓練の成果がよく出てる。凄いぞカガリ」
「先生の指導の賜物よ」
褒めてもらえて嬉しいもののくすぐったさもあるので軽く返してみると―――
「謙遜しなくていいさ。キッカケは確かに俺かもしれないがそれをモノにできるかどうかは教え子次第。
優秀な生徒を持つと先生は鼻が高いぞ―――っていきなりかよ」
「べーっ。隙だらけだったから」
剣を構えると舌をチロッと出す。こうも手放しで褒められると返って照れ臭くてつい不意打ちをかけてしまった。
「悪い子だ。先生少しペース上げるぞ?」
次の瞬間ジークの姿がブレる。そして同時に右側面から殺気を感じたので剣を振ると―――
「はい、アウト」
左側面から頬を指でつつかれる。先程の殺気はフェイントで、見事にしてやられたということ。
「殺気より直感を大事にするといい。時と場合によっては思考が邪魔して悪手になる。俺の見込みだとカガリの直感はかなり優秀だ」
「直感………直感。うん、やってみるわ」
「よし、もう少し付き合うから形にするぞ」
「任せて!」
時と場合によっては思考が邪魔する。それは確かに言えていた。何故なら―――
「カガリちゃんすっごく楽しそう。というか、あの頬っぺたぷにってしたのは何?何あれ?怒らないの?というかジークは何をしてるの?ねえ?訓練よね?」
「ミラ、落ち着いて。カガリに気づかれちゃうから」
「むー………。私の番はまだかなー」
影で私達のやり取りを見ていた二人に、私は全く気づいていなかった。




