5-11
※セラフィ視点
―――その日の夜
「おし、全員揃ったな」
私達は夕方帰ってきたジークによって訓練場に集められた。理由は大体察しが付く故に全員表情は強張っている。
「ガーベラ、アネモネが見た限りではある程度連携は取れる見込みができてきたということで正式に大迷宮攻略の日程を決めた。
………一週間後にする。それまでに全員を俺が合格と言えるレベルまでにする。達していないやつは置いていく。当然セラフィやカガリも例外じゃないが―――」
ここまでで私達は重い雰囲気と重圧で緊張さえしていたがジークの表情は一転。
「そこまで気負うな。基本ができていればいい。お前達は優秀だからな」
さらっとそんなこと言ってのけた。あの魔王に優秀だなんていわれたらお世辞でも気分が良くなる。落としてあげるとはなんという男だ。
「とりあえず明日から個別メニューと集団での訓練を混ぜる。5日後に試験をして、6日目に準備時間を設ける。
とりあえず予定はこうなっているが何かあるか?」
そういうとミラが手を挙げ、ジークが頷く。
「試験内容とは聞いてもいいですか!」
それを聞くのはどうなの。試験なのに。
「個別に俺が決める。ミラベルならサポート魔法や武器の使い方、魔力消費を抑えられるかだな」
言っていいの。試験なのに。
そして次にカガリが手を挙げる。
「大迷宮ではお風呂は入れますか」
それは死活問題だけどそこじゃない気がする。
「それについては問題ない。最低限飯と風呂は保障できるように用意する。というかしてる最中だ」
それなら安心。そしてクリスが手を挙げる。
「寝る場所はどうするんだ?男女別にできるのかい?」
それはして欲しいけど大迷宮でそんなこと気にしている場合なのだろうか。
「知らねーよ。遠足じゃないんだからこれ以上してやるつもりはない。
少なくとも俺は睡眠を取らなくていいから大迷宮では休憩中は俺が見張るつもりだ」
「もしガーベラさんにお願いされたら?」
「用意する。やりようがないわけじゃないしな」
私が敢えて聞いてみたところ即答。扱いの差がここまであるとは。仕方ないのかもしれないけど。でもちょっとムカつく。
でも一番気になるところがあるので手を挙げ、ジークに指差してもらう。
「他の国の動きも気になるし、留守の間何かあった際どう対応するの?」
「イーリス達がいるから自力でなんとかしてもらいたいのが本音だが、万が一に備えてアスターとガーベラを残す。メイド部隊も起動させたから最悪の場合それも使うことを検討中。
つまり、後のことは気にするな。目の前のことに全力を尽くせ。その為に俺がいる」
メイド部隊を想像すると呆れたような笑いがこみ上げてくる。確かに不安要素がない。いつもガーベラさんを連れているイメージがあった彼があそこで真っ先に除外したのはこのためだ。
「さ、今日はゆっくり休んで明日から頑張れ」
―――なら私達はそれぞれできることをしよう。




