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最強魔王の躾け方!  作者: ー零ー
第5章 -黒の大迷宮-
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5-8

※レインディア視点

「待たせたな、レインディア」


―――ドアが開き、待ち人が来た。転移してくることもできるでしょうに、わざわざ途中から徒歩で来てくださる。………やはり、人の心を失ってはいませんね。


「いいえ、こちらこそいきなりお呼びしてしまいましたから。応えてくださりありがとうございます」


そういって私は自分の耳に付けている紅い宝石のついたイヤリングに触れる。


これはミラベルがペンダントを貰った事を知っておねだりしたところジーク様が私にプレゼントしてくださったもの、


念じて話しかければジーク様とお話できるツール。何時でも何処でも魔力さえあればジーク様とお話できるのです。素晴らしい魔具ですね!


「良いんだよ。友達特権だ」


そういってはにかむジーク様。どんな女性もうっとりさせてしまうような魅力が溢れてますね。


しかしお友達特権はメリットデメリット表裏一体。何れは塗り替えますが、今は存分に活用しましょう。


「ありがとうございます。二点お話がございまして、お時間宜しいですか?」


「時間ならたっぷりとあるぞ」


ほほう、たっぷりですか。良いこと聞きました。二言は無いでしょうし後程使わせて頂きましょう。


「分かりました。


ではまず一点ですが、皆さんの大迷宮攻略が受理されました。アルフィア王国の他に二ヶ所の大迷宮についてもその管轄に推薦状を出しまして、無事許可を頂いておりますわ」


「早かったな。助かるよ」


大迷宮は謎も多く管理されている都合、管理者………つまり国であれば国王の許可を必要とする。アルフィア王国も一応許可が必要なので私がその手続きを行いつつアルフィア王国と交流のある2国に対して許可を取っておいたわけです。できる女ですので。


「この程度片手間ですわ。それと、もう一つですが………前にお話しました、オルトランド皇国についてです。


オルトランド皇国は魔族を非常に敵視している国として有名なのですが、ジーク様についての情報を探っているようです。あの大軍を退けた我々に対しても魔族と手を組んでいるのではないかと考えているようで―――」

「つまりちょっかいだしてくるかもしれないってことだろ?分かった。頭に入れておこう」


「………大丈夫でしょうか」


「少なくともすぐに動いてくるわけじゃないんだろう?ならそこまで問題じゃない。


念のためガーベラとアスターも置いていくし、緊急の際にはすぐ駆けつけられるよう手配もする」


ガーベラ様とアスター様は本気で戦われている姿こそ見ていませんが粛清の際にその片鱗は見せている。お二人ともジーク様に並び立てる猛者である以上万が一ジーク様が留守の場合でも対応でき、それも難しければジーク様もすぐ駆けつけてくださる。


これだけ聞けば万全ですがどうも不安が拭えないのは何故でしょうか。


「たぶんあと数日で俺達は大迷宮に挑む。留守は任せたぞ?」


「はい。戻られた頃には王国内の人事はもっと進んでいるでしょう。楽しみにしていてくださいまし」


「あぁ、楽しみにしとく。


さて、他にはあるか?」


ないなら帰るというのでしょう。ふふ、甘いですわよ。ここで帰しては乙女が廃ります。


「まだありますわ。ジーク様とお話がしたいのです。もっと貴方のことを知りたいと思っております」


「答えられる範囲でいいならな」


「十分ですわ」


根掘り葉掘り聞くつもりはありません。まずは胃袋を掴もうと思っておりますので―――


「趣味と、好きな食べ物とか、教えてくださいまし」


「お見合いかよ」


そうと言えなくもないのですわ。

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