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※セラフィ視点
乙女の花園
―――突然現れたジーク。理由はミラに渡したペンダントで、話があるならタイミング良いときにそれに念じればということでつい、やってしまったらしい。
そのつい念じてしまってというのは途轍もなく気になるが夜にこっそり話というのも気になるので問い詰める会が発足。会長は勿論ディアです。
「詳細は俺も知らん。タイミングもコイツ任せだ。
というわけで俺は帰るから―――」
「ダメよ?」
ジークが逃亡を図ったので私とカガリとディアで阻止。背中に飛び付いたディアが頬擦りしていてなんだか違う気がする。おい王女、そういうのは求めてないのだけど?
「というわけでミラベルさん!何を話すつもりでしたの!気になって仕方なくてこのままではジーク様にくっついたまま夜が明けてしまいますわ!」
「どうしてそうなる」
半ばとばっちりのジークはため息。ミラはぐぬぬと悔しそうな顔をし、諦めたのかため息をついて話始める。
「実はね、大迷宮攻略に私達勇者チームも同行させてもらえないか頼むつもりだったの。
ジークと共に冒険することでクリスがその姿をみて何か身になればって。それに、仮にも勇者チームなんだからもっと強くならないと」
なるほど最もな理由である。クリスは特に精神的に未熟なのでジークと肩を並べることでその違いと立ち回りについて学んで大人になってほしい。私もそう思いますよミラベルママ。
「あ、それなら私も参加したいですわ。サポートならミラベルさんやイーリスにも負けない自負がありますわ」
ここぞとばかりに身を乗り出して便乗。顔、顔近いよディア。
「俺、セラフィ、カガリ、レインディア、勇者チームで8人か。大所帯だと攻略できない可能性が怖いんだよなぁ」
ガーベラさんは何故かお留守番確定らしい。というか、8人だと攻略できないかもというのは気になる。イーリスさん達も首をかしげている。
「大迷宮は挑んで欲しいんじゃねーかって話したろ?もし制作者の意図が試練を与え、それを乗り越えた者が最下層へたどり着くというものだった場合人数によっては攻略難易度があがったり、一番笑えねぇのが攻略不可であることだな」
それは確かに困る。折角最下層に到達しても認められず徒労ではどうしようもない。
「因みに、何人までなら大丈夫だと思う?」
思いきって聞いてみると手を広げてこちらに見せる。つまり―――
「5人かな、ギリギリで。4人なら間違いないと思うが5人はギリギリ許されるだろう。6人はなんとも言えない。7人以降は無理だろうと考えてる」
「その心は」
「チームは4人一組が基本。それに+保護者役がついたりするからそこは見逃されるだろう。資料を見てもミレイナ付きでそこそこ進めたみたいだしな。
ま、後は大迷宮攻略の時に確認してになるな。もし人数がもうちょい行けるなら増やしてもいいが初回は安全策でいく」
確かにそれのほうがいい。誰もが納得する中、私とカガリは確定しているので残り二人は誰を連れていくかという部分に注目が集まる。心なしかイーリスさんやミレイナまでそわそわしている気がする。
「ぶっちゃけ残り二人どうするかって決まってるんだけどな。ミラベルと勇者くんって」
「へ?」
自分はいけると踏んでいたのか、現実を受け止めきれないのか、ディアは頭に?を乱立させている。どうやらディアは敗北者らしい。
「そろそろ行くつもりだけど王国はまだバタバタしてる。そこで重要なポジションにいるレインディア、イーリス、ミレイナを連れていくのは宜しくないんだよ。
そうなると勇者チームから引っ張るしかないので、ミラベルと勇者くんしかいないってわけ。これならミラベルの要望にもある程度応えられるしな」
肩を落とすディアだが理由は最も。特にイーリスさんもミレイナは激務であり、ディアも王女という立場上過酷なレベルではないものの多忙な日々。
「むー。では次は連れていってくださいましね!」
「あぁ、約束だ。王国が落ち着いたら大迷宮でもなんでも俺のできる範囲で連れていってやる」
「言いましたね!燃えてきましたよ!」
これで納得したと同時に燃えあがる王女。頑張れディア。
大迷宮攻略のメンバーは私、カガリ、ジーク、ミラベル、クリスとなった。




