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※ミラベル視点
「以上で、こちらの所有する情報になります。何か質問はありますか?」
「特にない。ガーベラ、スキャンは終わったか?」
「完了しております。今晩中に全て紙で用意いたします。何部刷りましょうか」
………最早ツッコミに意味はないから、ここは気にしない。イーリス様が若干引きつっているけど、きっと慣れるから。
「とりあえず2部あればいい。
さて、帰るか。イーリス、助かったよ」
「別に………約束ですから」
お気になさらず的な余裕をもった返しかと思いきや頬を若干赤らめて素っ気無い言い方。………もしや、落とされちゃった?確かにタイミング的にはかなりいい感じだったけど、まさかイーリス様が?
「あの、ミラベルさん、私に何か?」
どうやらジーっとみていたらしく一歩引いて問いかけてきた。うーん、これは要注意かもしれない。
「いえ、なんでもありません」
「そ、そうですか。それより―――」
「それよりジーク様!今晩はこちらで一泊されてはどうでしょうか!」
バーン!という副音声が付きそうなくらい絶妙なタイミングで勢いよくドアが開き、レインディア様が飛び込んできてそんなことを言う。何処かでこの部屋の様子を見てましたね!分かりましたよ!
「ジーク様には恩があります。ぜひ、おもてなしをさせてください」
レインディア様と、笑顔のアレイスター様の登場。後ろにはメイドが数名控えている。一言あればすぐにでもパーティーを催してくれそうな、そんな雰囲気さえ感じる。
「だってさ。どうするガーベラ」
「貴方さえ良ければいいと思います。私は傍にいて、その意に従えれば幸せですから」
「お前らしい回答だ。よし、分かった。
セラフィ達はどうする?」
………今、なんだろう。ガーベラさんから人妻みたいな雰囲気がした気がする。あれ、メイド?メイドだよね?
「えっと―――」
「セラ!今夜は女子会というものをしましょ!カガリさん達もいますし、今夜は盛り上がること間違い無し。絶対寝かせませんから!」
「ハッハッハ。どうやら決まりみたいだな」
「ちょっとぉ!?」
こうなると強引なレインディア様に分がある。勿論、本気で嫌だと思っていれば引いてくれる。そうでなければ―――
「では決まりですね。お兄様、早速準備しますわ」
となる。レインディア様はメイドに命じ、すぐに準備に取り掛かる。気づけばお泊まりコースになっていて、流石王女様。
「ミラベルは大丈夫か?親とか、勇者くんに伝えたりとか」
「大丈夫。ちゃんと一人でご飯食べて眠れる歳だもの」
「言ってることのレベルひっくいなぁ………」
それは仕方ないこと。確かに一人で自分のことはできるけど、精神的に未熟すぎる。特に自分の都合のいいように考える癖は危うくて、だからここまで傍にいたのだけれど。………あ、そうか。これってチャンスかも。
「ねぇジーク。今晩時間もらえない?相談があるの」
「ん、わかった。
これ渡しておくから都合のいい時にソイツに向かって話しかけてくれ」
そういって渡されたのはペンダント。恐らくはイーリス様に渡したものと同じタイプに見える。……あれ、なんか逢引みたい。ちょっとドキドキしてきちゃった。




