1-2
※ジーク視点
異世界からきたやべーやつ
「………なるほど、そういうことね」
あれからこの二人の少女を落ち着かせて自己紹介とここまでの経緯を聞いた。
銀髪のほうはセラフィという名前で黒髪のほうがカガリというらしい。
二人で協力して召喚魔法を行い召喚した召喚獣(魔物とは別らしい)を隷属の鎖で主に絶対服従させ、自分の力としようとしたのだが俺が呼び出されて失敗したわけだ。
「本来なら私達二人の魔力を越えるような召喚獣はそもそも呼び出せないはずなので、こういうことは起こらないはずなんです」
「というと?」
聞き返すとセラフィはため息をつく。そんなに驚くことなのだろうか。
「召喚魔法は異界にいると言われている召喚獣を自分の魔力という名の糸で引っ張り挙げるイメージです。自分の力を上回る召喚獣はそもそも吊り上げる前に糸が切られてしまうの」
「すっごい分かりやすいな。
んでもって理解した。俺は自分から飛び込んだし」
しかし異界っていうのが俺の世界ということか、それともというところだがまぁいい。これから確かめればいい。
「………もう驚きませんよ。
それで、魔王ジーク。貴方は今後どうするつもりですか?」
ここでカガリが口をだす。こちらの出方を窺っている辺り慎重な性格だ。先ほどの行動には大胆さが見えたが今はこの通り。伸び代がある娘だね。
「ジークでいいよ。
今後については………君ら次第かな?とりあえず俺を呼んだのだがら君らが主なわけだろう?よろしく頼むよ」
「えっ、それでいいんですか…?」
「この世界についても知りたいし君らもワケアリなんだろう?話を聞かせておくれ」
「え…あ、はい」
どうやら俺がおとなしくしているのが納得できないらしい。
しょうがない、時間をかけることになるがなんとか理解してもらおう。