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※セラフィ視点
―――翌日の早朝にミレイナ達と共に砦を出発。疲れは残っていたものの日が暮れる前には街に着くことができた。
そういえば道中カガリのジークに対する距離が近かったのは気のせいだろうか。
………見慣れぬ剣を両手で大事そうに抱えていたのは何故だろうか。
まさかこの男、カガリに何かしたのだろうかと思い目を向けると笑顔で返されため息をつく。
街に着くとミレイナの顔パスですぐに手続きは終わり早速この街にある冒険者組合の支部に向かった――――――
―冒険者組合ライセン支部―
「カーク、貴方は先に王国に戻り今回の件について報告をしてください。報告書はこれです」
ミレイナが部下に資料を押し付けると有無を言わさず追い出した。
理由は分かるのだけれどこうも強引なのはやはりジークへの対応で悩んでいるからだろう。そんなことはないのだけれど、万が一突っかかって逆鱗に触れた場合大変なことになる。
そんなことを考えている間に支部の奥へ案内され、支部長室に入る。部屋の奥には水着の上に軽く羽織るだけのような露出の高い衣裳を着た兎耳の少女がポツリと座っている。
………ん?何故か違和感しかない光景が広がっている。隣のカガリも頭に?を乱立させていることから決して私の反応は異常ではないはず。
「はろはろ~。ミレイナちゃん、セラフィちゃん、カガリちゃん、異世界から来たイケメン魔王ちゃんだね?私が支部長のメイリンちゃんだよ。さて、早速手続きするよ~ん」
「「ちょっと待って!?」」
理解が追い付かず私とカガリが待ったをかける………が、え~なんだよ~とむくれている少女が支部長だとは思いたくないというか拒絶反応がでる。いいの!?これでいいの!?
「安心してよ、この兎耳と尻尾は飾りさ」
「「ツッコミたいのはそこじゃないよ!?」」
「ハッハッハ、面白い支部長だな。気に入ったぞメイちゃん。俺のことはジーくんと呼んでくれたまえ」
「アイアイサ~!ジーくんとは旨いお酒が飲めそうだよ!今夜どうだい?」
―――悪のりするジーくんとメイちゃん。
―――止まらない、どこまでもノリだけで盛り上がる。
―――ツッコミが追い付かない。
―――お家帰りたい。
―――だけど、このままだと収拾がつかない。止めるしかない。
「ミレイナ!」
彼女ならば―――と思ったがダメだった。メイリンさんのことを知ってるらしく、故に慣れているというかそういうことなのだろう。遠い目をしている。
そこで呆けていたカガリがハッとする。
「あれ、メイリンさんお酒飲めるの?」
「飲めるよ~?メイちゃんはこう見えて大人の女だからネ!朝から晩までバッチリさ!」
後半は意味不明だがミレイナのほうを向くと頷いたので本当に大人といえる年齢なの………なの!?




