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※セラフィ視点
「というわけで今後の方針はトライアズ王国の迷宮を攻略。そのあとはアズガルム帝国に寄り道してからカガリの故郷に案内してもらう」
翌日。今後の方針についての説明がされた。アルフィア王国の今後については気になるけど私達の目的はまた別にあるし、皆がいるなら大丈夫だと思う。
「私の………?いいけど、どうして?」
「お前の先祖について調べたい。もしかしたら何か残している可能性もあるしな」
「それは………」
「そうだ。世界の秘密に関する何かもあるかもしれない。それに俺が調べることで分かるものがある可能性も、な」
それは異世界人共通の暗号か何かがある可能性について、ということか。確かに先祖についてはかなり不明点もあるし悪くないと思う。
「トライアズ王国についてはディアが取り計らってくれてるし、まずはそこからね。
アズガルム帝国についてはお姫様との約束でしょ?なら仕方ないわ」
「そういってもらえると助かる。
で、俺の配下についてだが………今後の各国の動向もそうだがオルトランド皇国が何もしないとも限らない。あと神獣の動きも警戒しなくちゃならん。
というわけで警戒と情報を兼ねてアスターとガーベラは留守番で、アネモネを連れて行く。仲良くするように」
アネモネさんは嬉しい。あの買い物のあと距離が近くなった気がして………ううん、気のせいではないと思う。話す機会も増えたし朝呼びにきてくれるのもアネモネさんのことが増えて、ちょっとした話もするようになった。
なんかこう、嬉しいわね。
「一度出たらお前らは特に、帰ってくるのが1ヶ月先とかになるだろう。数日中にはここをでる。早めに準備とかしとけ」
それは主に私への気遣いなんだと思う。この国に少なからず愛着があるから―――
「質問はあるか?」
「はい!あります!」
「ほいレインディア」
―――ここで痛烈な違和感。
「私との約束がまだ残っているので旅立つ前に食事したいのとこちらの件が片付いたら合流したいです!」
「食事は了解した。時間はあるから今夜にでもしようか。
あと迷宮潜る件は結局途中でガーベラに交代したからあれはノーカンだな。すぐには答えられないが、何かしら手配しよう。それでいいか?」
「構いませんわ。ありがとうございます」
呆気をとられている私をよそに話は進んでいる。
「って!なんでディアが!?政務があるでしょ!!」
「問題ありませんわ!ちゃんと時間を調整してますしジーク様の許可も頂いておりますの」
そういえばそういうことはちゃっかりしてるんだった。流石としかいえない手際。
「あとミレイナから伝言です。
思い出の場所で待ってます。
以上です」
そう言われて全て察した。ミレイナが何を話そうとしているのか。何処に行けばいいのか。
でも行かないといけない。ここを離れる前に、せめて清算しなきゃ。
でないと私は―――




