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最強魔王の躾け方!  作者: ー零ー
第6章 -その道の先に-
122/1017

6-20

※ジーク視点


ぼくのしごとはてれわーくできなかったよ

………さて、アネモネのほうも終わったな。


アイツは自虐的というか、自分なんかって考えるところがあったがあれならもう大丈夫だろう。キッカケを作ってくれたレインディアには感謝してもし足りない。貸しだな、これは。


「で、質問は決まった?」


怪訝そうにこちらを見るセラフィ。後ろのミラベルも同様。勇者くんは………知らん、アイツは嫌いなタイプだ。カガリは………まぁ流石に勘付いたことで頭がいっぱいだろうな。


ガーベラからの報告を聞いて質問内容は考えると言って少し時間を稼いだが向こうは早く終わったし戻ろうか。


「あぁ、そうだな。じゃあ質問する。()()()()()()()()()()


その質問にヴェーダ以外がきょとんとする。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、他の連中にとっては疑問に思うものでもないらしい


「それは………7つの迷宮にそれぞれテーマを配置しております。その試練を踏破することに意味があるのです。


以上、回答終了。全ての回答を終えたので大迷宮の入口に送還いたします」


俺達の足元に魔法陣が浮かび上がる。これだけで十分な回答だ。そう考え俺達は入口まで転移した。


「というわけでお疲れさん。このまま解散としようか」


軽い口調でそれだけいってカガリを抱える。正直精神的にきついだろう彼女をそのままにしておくのはマズイ。念話でガーベラに指示をして俺は歩きだす。


「ちょ!?何してるの!?」


「後にしろ。カガリの顔色をみて気づけ」


口早にそういって俺は工房に転移。特に抵抗することのないカガリをそのまま部屋にあるベッドに優しく寝かせる。


「えっと………ごめんな―――」

「謝る必要はないんだ。お前は少し休め。落ち着いたら話をしよう。分かったな?」


そういうと小さく頷き目を細める。いい子だ。


俺は奉仕型に監視を任せつつアスターにも連絡をとる。


『収穫はございましたかな?』


『驚くほどあった。後で共有するが………とりあえず後処理だ。カガリを俺の部屋で休ませていてメイドをつけてある。何かあったらすぐ対応してくれ』


『承知いたしました』


部屋を出て俺はすぐにとある一室に向かう。


何の変哲もない、ありふれた部屋。そこには1枚の写真が飾られている。


「愛華………」


幻想とはいえ再びその姿を目にしたことで胸の痛みが蘇ってくる。彼女はもう戻らない。もう、いないのだ。


だというのに………あの最後の言葉だけは彼女のもののようで………胸を締め付けるような痛みが心を揺さぶる。ずっと堪えてきたものが、溢れかえりそうだ。


「和也」


ここにくることを予想していたかのようにガーベラは立っていた。()()()()を呼び、彼女が俺の元によって抱きしめる。


「もしやと思ったけど、やっぱり来たわね。………私達はずっと一緒よ。世界を渡ったって離れないんだから」


そういって胸元に俺の顔を寄せて頭を撫でる。あぁ………本当にいい女だ。愛おしいガーベラ。


何処かで俺が不安定なことに気づいたのだろう。そうなったらここにくるのだろうということも、全てお見通しだった。そして、こうして俺を慰めてくれる。世界を渡ったのもかなり無茶なことだった。召喚対象だった俺はまだしも無理やりついてくるガーベラ達は最悪消滅の危険すらあった。でも、それでもこうしてついてきてくれた。俺をこの世界で一人ぼっちにならないように………。


ガーベラを抱きしめ、心を落ち着かせる。


アネモネは自分の道を漸く見つけることができた。セラフィも、自分の願いを叶えるための小さな希望を、細く険しい道を見つけ歩いている。レインディアは変わらず己の信じた道をつき進んでいる。カガリは戸惑うことはあっても、きっと進むことができるだろう。ミラベルも、友のためなら己を振るい立たせることができる強さを持っている。それがある限り道を迷うことはないだろう。


では俺はどうだ?考えるまでもないことだ。俺の道はこれまでもこれからも変わらない。変わってはならない。そう誓ったのだから。だけど、もしこの道の果てにアイツがいるのなら、俺は―――

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